サンフランシスコ発の日本のコンフォートフード、おにぎり専門店の「オニギリ」。ハンバーガーなどのファストフードに代わる選択肢として「おいしく、ヘルシーで、便利なおにぎりを通してより良い食習慣を広める」のがミッションだ。

おいしい・ヘルシー・ハンディー

梅干しやヒジキといった日本の伝統的なおにぎりから、照り焼きチキン、スパイシーシュリンプ、スパイシーベーコン&ガーリックといったオリジナルまで、17種類。使用するコメは、部分的に精米した玄米で、白米のように食べやすく消化しやすい上、玄米の栄養効果があるという優れもの。

具が見えるように巻く工夫。以前は、アメリカ人消費者に抵抗のあった黒い海苔も、寿司の普及につれ、一般化

野菜系の具材は、高菜(ごま油でソテーした高菜とごま)、梅干し、照り焼き豆腐、ヒジキ(ヒジキ、ニンジン、豆腐、枝豆を煮たもの)、レンコン(レンコンのきんぴら)、味噌ナス、シイタケ(醤油をかけて焼いたシイタケ)の7点。

肉系の具材は、そぼろ、照り焼きチキン、スパイシーベーコン(ガーリック&チリバターで炒めたベーコン)の3点。

魚系は、味噌マグロサラダ(味噌アイオリソースで調理したマグロ)、スパイシーシュリンプ、タラコ、ズワイガニ、ウナギ、サーモン(塩麹ソースをかけた焼き鮭)、エビの天ぷらの7点。値段は、1個2$76¢から3$45¢だ。

自然素材にこだわった具を使う

セットメニューは、枝豆セット8$73¢~11$70¢(好みのおにぎり3個と枝豆、ピクルスのセット。味噌汁かミックスサラダを1$73¢で付けることができる)、味噌汁セット7$25¢~9$23¢(おにぎり2個と味噌汁)、ワカメセット8$75¢~10$73¢(おにぎり2個とワカメのサラダ)など5点あり、これも人気だ。

アメリカ人にも受けるおにぎりを開発

和食は、ヘルシーというコンセプトがアメリカ人に認知されているので、この点は踏み台になるが、おにぎりの認知度はまだ低い。どんなおにぎりがアメリカ人に受けるか、周囲のアメリカ人にいろいろ食べてもらい、市場調査を開始、アメリカ人にも受けるおにぎりを開発した。

当初は、カラフルなソイペーパーで巻いたというが、寿司が浸透した今や、黒い海苔に対する抵抗はなくなり、今は海苔で巻いている。また、中の具を見せる工夫もしている。サイズは、日本の一般的なおにぎりとほぼ同じ大きさだ。何もかも一から作っている。人気の秘訣は、やはりヘルシーであるということ。そのために玄米を使用。

「ライスボウル」おにぎりを握る代わりに、玄米ご飯の上に、好みの具材3種の他、オーガニックのミックスグリーンと、ピクルス、枝豆をのせたもの。オイルフリーでナチュラルなハウスメードのドレッシングであえる。9$92¢~12$89¢

まずは、2008年にファーマーズマーケットに屋台出店。その2年後にはフードトラックに移り、そのまた2年後には、固定店を金融街にオープン。現在、サンフランシスコ内に4店展開しており、来年にはベイエリアにさらに5店舗オープンを予定している。

おにぎりは、具を変えていろいろなバリエーションを作れる融通性や、手軽なフィンガーフードであることなど、アメリカに普及する素地は揃っている。当面の目標は50店舗だが、目指すは500店、全米展開に向け、着実に地盤を固めている。

●人気料理
サーモンのおにぎり(塩麹ソースをかけた焼き鮭のおにぎり)3$45¢
そぼろのおにぎり(牛肉のそぼろのおにぎり)2$76¢
高菜のおにぎり(ごま油でソテーした高菜とゴマのおにぎり)2$99¢

ランチタイムのカーニー店。金融街に近い。サンフランシスコ市内でケータリングも行っている
◆店舗情報
オニギリ(Onigilly)
所在地=KEARNY店 343 Kearny Street San Francisco,California

◇外食レストラン新聞の2017年12月4日号の記事を転載しました。