健康食宅配サービス「ミールタイム」を展開するファンデリーは、シャープと共同で運営する情報配信サービス「ポイント家電」を通じて、食品メーカーのダイレクトマーケティングの支援強化に乗り出す。12月1日から無線LAN機能を持つ対象家電の機種を拡大し、健康志向商品をキッチンで実際に調理をする関心の高い層に直接訴求。IoT(モノのインターネット)と健康を組み合わせた取組みを進め、一般消費者と食品メーカー両方のニーズに対応したビジネス展開を目指す。

同サービスは昨年からスタートし、シャープのウォーターオーブン「ヘルシオ」の最上位機種で配信を開始。調理の際、同社の管理栄養士・栄養士による食や健康に関するワンポイントアドバイスや旬のレシピ提案といったユーザーに有益な情報に加え、食品メーカーなどの音声付き動画広告が15秒間流れる。

ユーザーは1回の視聴で景品に交換可能な「PKポイント」を1ポイント獲得し、たまったポイントに応じてQUOカードや外食優待券などと交換できる。

健康志向商品など、ユーザーに有益な情報をキッチンへ直接配信する

今回の対応機種拡大で、プラズマクラスター冷蔵庫2機種、無水自動調理鍋「ヘルシオ ホットクック」1機種でサービスを配信。冷蔵庫では音声とテキスト広告15秒を、ホットクックでは音声広告15秒を配信する。ヘルシオでの広告も含め、各広告ともに1インプレッション当たり5~7円で費用対効果も高い。

現在広告を配信するメーカーは、ヘルシオで10社以上、冷蔵庫で12社、ホットクックで3社。各家電の特徴に合った商品をPRできるほか、ヘルシオでは「インストールレシピ」として各メーカー独自のレシピを直接ヘルシオ本体に組み込み、販売拡大につなげることも可能。アプリとも連動ができ、食品メーカーにとってIoTを活用した新しいレシピ提案のスタイルが広まる可能性もありそうだ。

阿部公祐社長は「健康に関心の高いターゲットに直接訴求できることが強み。対象家電は出荷数量も増えており、今後は対象機種の拡大と合わせて配信数を上げ、ポイント家電の認知度を高めていきたい」と語る。現在の主力事業であるMFD事業(健康食宅配事業)、企業向けマーケティング支援事業に次ぐ第3の柱とすべく、ポイント家電のさらなる強化を目指している。

◇日本食糧新聞の2017年11月27日号の記事を転載しました。