秋田県秋田市在住のたべぷろ編集部員、山下雄二です。秋田は私の生まれた場所で、祖父母も一緒に暮らしていたことから秋田の郷土料理や昔の文化と触れることも多かったです。今回は県民でも好き嫌いの分かれる珍味、ハタハタ寿司について調べてみました。実は私もハタハタ寿司を食べたことがなかったのです。ちなみに11月23日は神様にお米を備える新嘗祭(にいなめさい)。この伝統にあやかって全国珍味小工業組合連合会は11月23日を珍味の日にしました。

独特な匂いとお米の甘みがする、まさに珍味

ハタハタ寿司は秋田名物として有名なハタハタを麹や野菜と一緒に発酵させた“なれずし”というもので、現在の寿司の原型です。鮒ずしに近いですね。ハタハタ寿司は秋田駅などのお土産屋さんだけでなくスーパーでも手に入ります。

まさか、ハタハタ寿司を初めて食べるのが今日になるとは思いませんでした。聞くところによると好みが分かれる味のようです。開封すると発酵した魚と米麹のにおいを感じます。食べてみるとハタハタの旨味を感じられます。そして、米麹で漬けていることから何とも言えない甘みがします。

そのまま食べるほか、醤油をつけても美味しいですね。

ハタハタ寿司を好まない人の気持ちは分かった

郷土料理ならではのくせを感じるものの、意外と美味しく食べられました。ただ、ハタハタ寿司を好まない人の気持ちも分かりました。

ハタハタ寿司はこんな特徴があります。
・意外と硬い
・表面がぬめぬめしている
・独特な匂いがする

よってこの3つを解決できるような食べ方があれば、ハタハタ寿司を美味しく食べられるのではないかと思いました。

そこで、ハタハタ寿司について調べると「焼いたら美味しい」という情報が見つかったので試してみると、確かに身が柔らかくなり食べやすいです。

お吸い物やお茶漬けは意外にヒット

なるほど、加熱するという方向性は良さそうだと思い、今度は鮒ずしの食べ方を参考にお吸い物とお茶漬けを作ってみました。どちらもハタハタ寿司が柔らかくなるまで1~2分ほど時間を置きました。

これが実に美味しい。

ハタハタ寿司が温まったことで柔らかくなり、表面のぬめりもほど良く取れていました。そして、汁とご飯にはハタハタ寿司の旨味が染み出ています。匂いも軽減されました。これは食べ方で困っている人に試してほしいです。

2杯目はお吸い物にしました。作り方は簡単で、ハタハタ寿司にお湯を注いで塩昆布を入れるだけです。

中に入っている米はご飯の残りではなくハタハタ寿司についている麹です。

こちらも、身が柔らかくなるまで時間を置きます。ハタハタの旨味と昆布の出汁が良く合わさって何とも言えない味わいです。お好みで醤油を入れても良いですね。