こんにちは。甲信在住のたべぷろ編集部員まつもとゆりかです。寒くなってきましたね!風邪に負けない体作りに栄養豊富なモツ煮はいかがですか? しかし、一般的にモツ料理と言えば、おかずというよりお酒の肴。しかも「調理時間がかかりそう…」「臭みがあって食べにくそう…」というイメージがあるのではないでしょうか? 今回はご家庭の夕食の一品としても簡単に短時間で作れる、山梨県甲府市のB級グルメ「鳥もつ煮」をご紹介します。照りのある甘辛ダレが絡んだコクのある味は、ご飯がすすみます!

人気の秘密は照り照りの甘辛ダレ!

甲府市の「鳥もつ煮」、発祥は昭和初期にさかのぼります。当時、鶏モツは食べずに捨ててしまう部位だったようで、捨てられている鶏モツを見た蕎麦屋が「これはもったいない!これを使って安くて美味しいものがつくれないだろうか?」と考案したのが始まりだそうです。

鶏の砂肝、ハツ、レバー、きんかん(生まれる前の卵)などを、醤油と砂糖の甘辛い濃厚なタレで煮絡めて作ります。甲府市のお蕎麦屋さんのメニュー表には必ずと言っていいほど「鳥もつ煮」があり、スーパーのお総菜コーナーなどにも陳列されている、いつでも気軽に食べられる地元の味なのです。

近年、地域おこしの一環で出場したB⁻1グランプリ(B級グルメの人気選手権)優勝で、全国にも知られるようになりました。甲府市近郊で愛され続けている「鳥もつ煮」の魅力は、日本人の心をくすぐる醤油と砂糖の甘辛~い香りと照りのあるタレのビジュアルなのでしょう。

お店だけではなく家庭の食卓にものぼるメニューで、材料やレシピは各家庭によって微妙に違うようです。シンプルで癖のない味付けですので、様々なバリエーションの食べ方で楽しまれています。例えば、パンでサンドしたり、ご飯に乗せて鳥もつ煮丼にしたり。卵でとじて親子丼風も美味しいですよ。

意外と知られていない「砂肝」の高い栄養価

B級グルメというと、栄養は二の次というイメージですが、「鳥もつ煮」は栄養価の高さでも注目したい料理です。レバーは鉄分やビタミンが豊富で貧血気味の方のお勧め食材として有名ですが、砂肝もレバーとともに低脂肪、高たんぱくで優れた健康食品といわれています。

鉄分をはじめ、ビタミンB2、ビタミンB12、亜鉛やアルギニンなど、普段摂りにくい栄養素が多く含まれています。レバーに比べて臭みやクセも少なく、育ち盛りのお子さんや仕事が忙しいご主人にもお勧めしたい食材です。

強火で豪快に!短時間調理で照りを出すのがポイント

一般的なもつ煮は何度か茹でこぼして臭み抜きをしたり、コトコトと長時間煮込んだりしますが、「鳥もつ煮」は下茹で不要! 煮込まずにタレを「煮からめる」イメージです。調理中は最初から最後まで強火で。では、ご家庭でも簡単に美味しく作れるレシピをご紹介しましょう。

下ごしらえした一口大のモツ

<材料>(約4人分)
レバー 300g
砂肝 250g
ハツ 50g
きんかん  50g(あまり売っていないので無くてもOKです)
醤油 100cc
砂糖 100g
※トッピング用のしし唐、ピーマンなどお好みで。

モツの分量が多いと感じるかも知れませんが、レバーや砂肝は下ごしらえの段階で捨てる部分もあるので、調理する段階では量がだいぶ減ります。分量の配分はお好みで変えてもOKです(レバーが苦手なら砂肝の量を増やすなど)。

きんかんはサッと洗うだけでOK

<下ごしらえ>
・レバー…白い部分は捨て、ハートのような形をした赤い部分だけ一口大に切る。
・ハツ…半分にカットし、黒い血の塊は取る。
・砂肝…2つの玉状になっているので、つながっている白い部分はカットする。赤い部分の薄いピンク色の部分は硬くなるのでカットする。

※カットしたモツは、海水ぐらいの食塩水で手早く洗い、臭みを取ります。ザルで水を切り、クッキングペーパーでしっかり水気を取る。

・きんかん・・・ひも状につながっている場合は取る。

<作り方>
1.フライパンに砂糖と醤油を入れ煮立たせる。(ここから最後まで強火です!)

2.少し泡が立ち始めたら材料をすべて入れ、タレを絡めるように木べらで大きく2~3度かき混ぜたらフタをする。かなり泡立って来るので時々フタを取りかき混ぜる。

かなり泡だらけになります

3.タレが半分位の量になって来たらフタを取り、フライパンをゆすりながら木べらでタレを絡めるように煮詰めて行く。タレにとろみが出てフライパンの内側に付き始めて、モツに照りが出て来たら完成です。

飴色のツヤと照りが出たら完成です!

お好みでしし唐やピーマンの素揚げを添えたり、盛り付ける器にレタスなどを敷いたりすると綺麗です。

鳥もつ煮は冷めると硬くなりますので、出来たての熱々をお召し上がりください(味の好みは人によって異なるようで、冷めると味が染みて美味しい!という方もいます…)。調理のコツは強火とスピードです。是非、今夜のおかずにお試しください。