中央ヨーロッパ・ハンガリーの首都、ブダペスト在住のフードライター旅野きっこです。各地を巡りながらご当地のグルメを美味しいお酒と共に堪能する日々を過ごしています。季節は美しい秋、長く厳しい冬への準備の頃となりました。10月最後の日、31日はハロウィン。ブダペストの街中でも様々なイベントが行われ子供も大人も仮装をして楽しみます。今回は、みんなで集まる秋の一大イベント「ハロウィン」のパーティで簡単に楽しめる「バターナッツ」を使ったおもてなし料理をご紹介します。

バターナッツとは?

バターナッツという名前を初めて聞いた時は、なんとなく濃厚なナッツ類かと思ってしまいましたが、実は「西洋かぼちゃ」といわれるかぼちゃの一種で、細長いひょうたんの様なものでした。秋になるとスーパーに沢山並び、レストランのおすすめメニューにも、バターナッツを使った料理がいくつも出てきます。

濃厚で甘い日本で見るかぼちゃとは味も違い、なんとなくさっぱりした味わいという印象でしたが、ハンガリーでは日本のかぼちゃはアジアンショップでたまに見かけるくらいで日常的ではないので、かぼちゃ=バターナッツとなります。

スープやリゾット、丸ごと使ったグラタンに料理される事が多いです。またくり抜いてハロウィンの飾り「ジャック・オ・ランタン」を作ったりもします。

バターナッツ丸ごとグリルのグラタンを作ってみよう

さて、それではバターナッツを使ったパーティ料理、「丸ごとバターナッツのグラタン」を作ってみましょう。日本でもバターナッツは安く、丸ごとで買っても200円程で手に入ります。

<作り方>

  1. 縦半分にナイフを入れ、種を取り除いて洗います。バターナッツ自体を受け皿にするので身を1センチ程残してくり抜きましょう。くり抜いたバターナッツは細かく切っておきます。
  2. グラタンの具はお好みで良く、ベーコンやキノコ類やトマト、ズッキーニやマッシュルームやパプリカ、チキンやマカロニなどお好みの物を用意します。パスタ類なら茹でておき、ベーコンやキノコ類、野菜などは先程のバターナッツと共にオリーブオイル、塩胡椒などと共に炒めておきます。そして市販または手作りのホワイトソースと絡めます。
  3. グラタンの詰め物ができたら先程のバターナッツに詰めます。オーブン皿にのせ、グラタン用チーズをたっぷりとふります。オリーブオイルを上からかけ、お好みのハーブなどあればそれもかけ、オーブンで火を通します。200度で20分ほど、足りなそうなら加減を見て、焼き色がつくまで火を通します。

楽しいハロウィンを彩るバターナッツ

それなりの大きさがあるバターナッツ本体が器となるこのグラタンは、インパクト大でパーティにもってこいなのですが、他のアレンジも楽しめます。オーブンでオリーブオイルを回しかけグリルしたバターナッツにヨーロッパでよく食べられるマッシュルームのリゾットを詰めたり、ローストしたナッツとドライフルーツを詰め、蜂蜜をかけて食べるのも良いでしょう。

バターナッツのグリル、マッシュルームや栗を使ったリゾットに鴨ロースト、この時期のハンガリーでは特に食べたいものです。仮装を楽しみつつホームパーティもハロウィンの日はいたるところで行われ、「ジャック・オ・ランタン」を作るためにくり抜いたバターナッツの実で料理をする、というのは毎年のことでしょう。

子ども達が昼間、学校行事で街中を仮装で並んで歩きながらお菓子を貰う姿をよく見ますが、その間に家庭では様々な形の西洋かぼちゃを使ってパーティの準備をするのです。

日本でも近年、ハロウィンの認識が随分と上がり、街中も賑やかになりました。仮装して街へ出たり、家族でホームパーティをしたり楽しみ方は様々ですが、ぜひ「バターナッツ」を使って、さらにハロウィンを満喫してください。