パインアメなどを製造するパインの公式ツイッター担当者「係長マッキー」氏が執筆した、ビジネス本「攻めるロングセラー (パインアメ『中の人』の心得)」がこのほど発刊。企業の広報担当者を中心に好評を博している。

「係長マッキー」氏は、本名や素顔を公開していない。

(…… きこえますか… きこえますか… みなさん… パインアメです… 私は今… みなさんの心に… 直接… 呼びかけています… パインアメは… 鳴るように作っていません… 吹いても鳴らないのです… )

–当時、事務職だった同氏が始めた同社公式ツイッターに注目が集まったのはこんなつぶやきだった。同つぶやきは1日で2万リツイート以上された。

大阪を中心にパインアメの知名度が高いことから、新聞やTVへの広告を積極的に行っていなかった同社。「数年前から東日本での販売にも力を入れるためPRの必要性が社内で高まっていた。お金をかけずにできるツイッターを提案したら、経営会議で通ってしまった。言い出しっぺである自分がすることになった」(同氏)とし、広報やマーケティングの知識も経験もない中、試行錯誤を繰り返しながらツイッターの運営をすることとなった。

「係長マッキー」氏。本名・素顔が非公開のためマスクをかぶっている

パインアメは吹いても鳴らない、というネタからコリスの「フエラムネ」とのコラボレーションに発展。実際に「フエラムネ パインアメ味」という製品が発売された。その後、菓子メーカーだけでなくカタログ通販の「ニッセン」との「激怒Tシャツ」など他業種とのコラボ商品も話題となった。

手探りで、現在11万フォロワーを誇る人気アカウントに育てた同氏の経験やノウハウがつまった『攻めるロングセラー(パインアメ「中の人」の心得)』(発行=クロスメディア・パブリッシング、発売=インプレス・税別980円)。難解なビジネス用語を避け、分かりやすい言葉で書かれているのが特徴だ。

同氏は企業公式アカウント成功の秘訣(ひけつ)を「炎上はそうそう起きることではないので過度に恐れず、どれだけお客さまと友達感覚で仲良くできるか? に力をいれるべき」と話した。

◇日本食糧新聞の2017年10月16日号の記事を転載しました。