客の前でイクラてんこ盛り…北海道の形がインパクト大
食材の宝庫、北海道を代表するアイテムが「イクラ」だ。このイクラを堪能できる商品としてイクラ丼はよく食べられるのだが、飯を北海道の形に成型するアイデアで強烈な差別化商品としたのが、北海道・札幌を拠点に宮城・仙台や首都圏に14店と店舗網を拡大している「焼鳥ダイニング いただきコッコちゃん」だ。
ただのイクラ飯では平凡すぎると…
同店はキンカンや砂肝など複数の鶏モツを串に刺して焼く「美唄焼き鳥(塩)」(173円)や豚肉を使用した「室蘭やきとり(豚)」(216円)など北海道で独自の発展をとげた郷土焼き鳥を一度に食べることができるダイニング業態。「こぼれイクラ飯」は2012年9月に東京・西葛西に東京進出1号店をオープンする際に限定メニューとして開発した。
「北海道の食材や料理を印象づける商品としてイクラの知名度は圧倒的。東京のお客さまを集客するアイテムとして欠かせないと考えたのです」とイーストンの二瓶吉之エリアマネジャーは説明する。ただのイクラ飯では平凡すぎるということで飯を北海道の形にし、その上にイクラを盛り付けるアイデアが生まれた。
飯は北海道産「ななつぼし」
狙いは見事に当たり、締めの商品にもかかわらず日販平均10食を売るヒット商品に。ご飯の量は100g、イクラの量は50g。北海道の形にかたどった飯と海苔を盛った皿をテーブルの上に置いて、客の目の前でイクラを盛り付けるパフォーマンスも客のテンションを上げる。さらには添えられた海苔で巻いて手巻き寿司スタイルで食べるセルフメイクの楽しみも得られると、二重三重の付加価値アップを組み入れた工夫が秀逸だ。
飯は北海道産「ななつぼし」を使用。北海道形の型抜きに飯を詰めて抜く際には竹串を使って形を崩さないように慎重に行って、見た目の楽しさを表現している。商品の柱となるイクラの醤油漬けは店内で毎日漬けており新鮮そのもの。北海道本社の商品開発者が祖母から教わったレシピを再現した正真正銘家庭の味だ。
店員が「わっしょい!」連呼でイクラを盛り付ける「ぶっかけ丼」も
同品のヒットぶりに乗じて2015年からは大盛りサイズの「いくら ぶっかけ丼」(1382円)を投入。こちらはグループ客がシェアして食べるのにピッタリと人気に。丼で提供されるがスタッフが「わっしょい!わっしょい!」と掛け声をかけながらイクラを盛り付けていくパフォーマンスも好評だ。同店では焼き鳥、イクラ飯の他にも、「札幌ラーメンサラダ」(518円)や甘酢だれで食べるザンギスタイルの「鶏の唐揚げ」(5個410円)など、さまざまな北海道の味を前面に打ち出して個性化を図っている。
●店舗情報
「北海道焼鳥 いただきコッコちゃん 上野店」 経営=イーストン/店舗所在地=東京都台東区上野2-12-23 U・ONEビル2階/開業=2013年11月/営業時間=午後4時~翌午前1時(金・土曜、祝前日午後3時~、日曜3時~翌0時)、無休/坪数・席数=29坪・63席/1日平均客数=平日60人、週末100人/平均客単価=2500円
◇日食外食レストラン新聞の2016年12月5日号の記事を転載しました。
タブロイド判16~24頁・月刊・オールカラー。専門紙でありながらフリーペーパーという新聞業界初のコンセプトで外食専門紙トップの発行部数5万8000部を誇ります。広告効果も抜群。ぜひお試しください。
詳しくはこちら
コメント
記事コメント投稿サービス利用規約に同意の上ご利用ください。