お米とミルクでプディングに!ノルマンディーの郷土菓子「トゥルグル」の作り方
フランス北西部ノルマンディー地方在住のトラベルコーディネーター小川裕子です。毎年9月はベストシーズンのノルマンディーなのですが、今年は異例にも雨ばかりで肌寒いお天気。9月半ばですが、早朝は暖房のスイッチを入れるほど寒くなってまいりました。こんな時は食後のデザートも温かいものが欲しくなります。
そんなわけで、今回はお米を使ったノルマンディーの郷土菓子「Teurgoule(トゥルグル)」、お米のプディングのようなお菓子のご紹介です。
口が曲がるほど熱い?郷土菓子
「トゥルグル」というのは、18世紀頃に生まれた牛乳・お米・砂糖・シナモンを使い、パン焼き窯で5~6時間じっくり焼き上げた「お米のプディング」のような郷土菓子。郷土料理にはいろいろな言い伝えがあり、このちょっと名前が覚えにくい「トゥルグル」にも様々な説があるようです。
焼き上げてアツアツのうちに口に入れたところ「 se tordre la goule」(gouleというのは口という意味のくだけたフランス語) つまり「口が曲がるほど(熱い)」という表現からTeurgouleという言葉になった説、またはトゥルグルを作る時に使うTerrinéeと呼ばれる陶器の名前が起源という説。
どれが正しいのかは分かりませんが、それぞれの説から垣間見られる歴史、昔の生活や文化がとても興味深く感じられます。
材料選び、搾りたての生乳がポイント
今回は南ノルマンディーにある「ノルマンディーのスイス地区」の観光局長のVANDEVIVERE Sylvieさんにレシピを頂いてきましたのでご紹介しますね。
<材料 8名分>
- 牛乳 1.5リットル
- 丸いお米 120グラム
- 砂糖 150グラム
- お塩 一つまみ程度
- バニラビーンズ 1本
- シナモンパウダー 小さじ2杯
材料選びのコツも教えて頂きました。
ノルマンディーの田舎では、お米というとちょっと細長くタイ米のようなお米ばかりがスーパーに並んでいるのですが、材料にある「丸いお米」Riz rondは食感が日本のお米に似て粘り気があります。また、牛乳もlait cruと呼ばれる生乳が望ましいようです。
<作り方>
- 牛乳を温める
- テリーヌ型の鉢に牛乳以外の材料を入れ混ぜ合わせる
- よく混ぜ合わせた中に牛乳を入れ よく馴染ませる
- 160度のオーブンで5時間焼く
- 外側の膜が焦げ茶色になるまで焼き上げたら出来上がり
真っ黒に焦げているのを見るとびっくりしますが、このパリパリした皮が好きな方もいらっしゃるそうです。
シナモンとバニラの香りが絶妙に合わさった優しい味わい
ノルマンディーに10年ほど住んでいながら、私がこのお菓子を初めて食べたのは2016年の夏に開催した「福島の学生さん歓迎会」でのことでした。
「ノルマンディーのスイス地区(Suisse Normande)のThury Harcourt チュリーアークー市/ Clécyクレシ―市」に福島の学生さんが2日ほど観光に来て下さり、現地の子供たちとの国際交流会と観光コーディネートを企画させて頂きました。その時に観光局の方々が作って下さったのがこちらの郷土菓子だったのです。
さて、お味の方ですが お米がじっくりと煮込まれていながらもモチモチした食感があり、シナモンとバニラの香りが絶妙に合わさった優しい味わいでした。焼いてすぐのほんのり温かなトゥルグルも美味しいのですが、冷やしてシードルと一緒でも美味しく頂けます。
たべぷろ読者へメッセージ
レシピを教えて下さった観光局長のVANDEVIVERE Sylvieさんにお話を伺ったところ、「昔は家族で日曜日に集まった時や大きなパーティー、結婚式などで郷土菓子として出していたものだったのよ」とおっしゃっていました。
また、たべぷろ読者の皆様へ「ノルマンディーのスイス地区は、その名の通りスイスを思わせるような自然豊かな地区で、サイクリング、ハイキング、カヌーなどアウトドアスポーツも盛んです。スポーツをしながら美味しいものを楽しみに是非いらして下さいね」とお言葉を頂きました。親日家の観光局長なので是非!お越し下さいませ。
<取材協力先>
スイス・ノルマンディー観光局Office de Tourisme de la Suisse Normande
住所 2 Place St Sauveur 14220 Thury Harcourt – Le Hom
観光局長 Sylvie VANDEVIVERE
生産者 La ferme du vieux Grimbosq
14220 GRIMBOSQ
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