一汁三菜を提案していた料理家RINATY(りなてぃ)さんが、ライフスタイルの変化を経てたどり着いたのが2品献立。2品だからうまくいくごはん作りの秘訣や、旬の野菜を使ったオススメレシピを伺いました。

ライフスタイルが変わり一汁三菜から2品献立へ

インスタグラムに一汁三菜の料理を載せ始めたのは、結婚前に夫と同棲をしていた頃。当時はお金に余裕がなかったのですが、彼に喜んでもらいたくて、節約をしながら、栄養バランスがよくてボリューム満点の献立を考えてつくっていました。

結婚をしてライフスタイルが変わり、仕事も忙しくなると、毎日一汁三菜をつくり続けることは大変で、プレッシャーに感じることもあったんです。だったら、無理なくつくれる2品で、余裕がある時に、1品プラスすればいいのでは?と思うようになりました。

実際に2品献立にするようになったものの、インスタグラムでは、ずっと一汁三菜のレシピを発信していたので、フォロワーさんが受け入れてくれるか不安でした。でも、自分をさらけだしたリアルなごはん作りは予想以上に好評で、いまでは2品献立にしてよかったと思っています。

3品から2品に減っても、夫にがっかりされたことは一度もないんです。おいしい料理を出せば喜んでくれるので、品数が問題ではないのかなと思います(笑)。

料理家RINATY(りなてぃ)さん

白菜を使い切りたい時にも!「豚こま白菜の中華丼」

2品献立は、そもそも品数が少ないので時短になり、洗い物も少なくなるので、食後に時間のゆとりができるんです。2品献立を考える時に一番大事にしているのは、夫を満足させるボリューム感。2品でも質素に見えないように量や見た目の彩りにこだわりながら、簡単で時短、さらに節約できる献立にしています。ただ、あまり節約を意識しすぎてしまうと、ボリュームや色味が減ってしまうので、スーパーで手に入る安価な食材を上手に使って、無駄にならないように工夫しています。

これからの季節、二大野菜と言われるほど大活躍するのが白菜と大根。安売りされることも多いのでコスパもいいですよね。でも、白菜を丸ごと1個買ったものの、なかなか使い切れないことってありませんか? そんな時に重宝するのが、新刊でも紹介している「豚こま白菜の中華丼」です。白菜を4分の1個使うので、切った時にはびっくりする量ですが、水分が抜けて白菜のうま味が凝縮するので、ペロリと食べられるんです。このレシピに鶏塩スープを加えれば、2品献立に。片付けをしながらでも20~30分で2品、つくれると思います。

大根を使った料理のオススメは「鶏大根」。鶏もも肉をフライパンで焼いて大根と調味料を加え、落としぶたをして15分ほど煮ればできあがり。短時間でも味がしみているので、ごはんもすすむし、ほっこりした気持ちになれるので、大好きな一品です。

コスパのいい“スタメン食材”を決めておけば節約に

時短でできる、包丁を一切使わないレシピもあります。「即席ポトフ風スープ」は、ウインナーは手でちぎり、じゃがいもは切らずにレンジで加熱した後、鍋の中でほぐします。料理は固定概念にとらわれず自由でいいと思いますし、いつもとは違う作り方を楽しんでもらえれば、という思いもあるんです。

節約をしようと思ったら、買い物に行く前に、3日分だけでもいいので、献立のメインを決めておくことをオススメします。献立の土台が頭の中にある状態で買い物に行けば、無駄な食材を買わずにすむし、なんとなく安いから買っておくという生活スタイルを変えることができると思います。

ただ、忙しくて献立を考える時間もなくスーパーに行くこともありますよね。そんな時のために、最寄りのスーパーの中で、コスパのいい“スタメン食材”を決めておくといいと思います。急に買い物に行った時には、スタメン食材と特売品だけを買うようにすれば、節約につながるはずです。

<プロフィル>
RINATY(りなてぃ)
1995年生まれ、福岡県在住。「一週間3500円節約献立」「共働き夫婦の2品献立」などが多くの女性に支持され、初のレシピ本『りなてぃの一週間3500円献立』(宝島社)は、「第8回料理レシピ本大賞」準大賞を受賞。Instagramのフォロワー数は約63万人(2023年10月時点)、テレビや雑誌などのメディア出演、食品メーカーのレシピ開発・コンサルティングなどでも活躍中。Instagramアカウント:rinaty_cooking

『2品だからうまくいく! #りなてぃ流 2品献立』
RINATY(りなてぃ)著  宝島社 定価:979円(税込)

◇◇百菜元気新聞の2023年11月1日号の記事を転載しました。