野菜をたっぷり食べたい時はスープの出番!子どもの野菜嫌いの克服にも…料理研究家・栄養士 阪下千恵さん
最新刊『野菜もりもり スープこそ最高のごちそう。』(主婦と生活社)で、100のレシピを紹介している料理研究家・阪下千恵さん。春にぴったりのスープやおいしくつくるコツを教えていただきました。
これからの季節にぜひ 春野菜の緑鮮やかなスープ
野菜をたくさん食べたい時に頼りになるのがスープです。野菜をザクザクと刻み、鍋に放り込んで煮るだけでつくれますし、肉や魚、豆腐などを加えれば、たんぱく質も取れる栄養満点な主菜にもなるからです。
これからの季節に味わってほしいのは「シーフードとアスパラ、グリーンピースの卵スープ」。冷凍のシーフードミックスを使って手軽にでき、グリーンアスパラガスとグリーンピースを加えることで色鮮やかになり、春を取り入れている感じが出るんですよね。冷凍のグリーンピースでもいいのですが、旬のものを使うと、よりおいしく、食べ応えもあると思います。肌寒い日には、クリーム系のスープに、そら豆やグリーンピースを入れると、旬を味わいながら、身体の中からぽかぽかに。
忙しい朝、パパッとつくれるのは「レタスとミニトマトのコンソメスープ」。コンソメスープに薄切りにした市販のサラダチキン、ちぎったレタス、ミニトマトを入れて、ひと煮立ちさせればできあがり。朝、温かいスープを食べると満足感があり、元気も出るはずです。
スープを冷凍する時はジッパー付き冷凍保存袋を活用
スープは、基本的にどんな具材でもおいしくつくれます。ただ、汁が目分量になってしまうと失敗してしまうことがあるので、およそ1カップ1人分だと考えてつくるといいでしょう。
ミネストローネやポタージュなどは多めにつくって、冷凍保存しておくのもオススメです。1食分ずつジッパー付きの冷凍保存袋に入れて、できるだけ薄く平らにして保存すれば、おいしさはそのままに、スペースをとらずに保存できます。また、食べる時に早く解凍できるのでラクなんですよね。冷凍保存したスープは、パスタやカレーにアレンジしたり、野菜の上にスープとチーズをかけてグラタンのように焼いたりするなど、いろいろと活用できます。
サッとすませたいお昼ごはんの時によく食べるのが、スープかけごはんです。ごはんや麺などの主食に、野菜たっぷりのスープをかけるだけで栄養が手軽に取れるので、夜食や軽食にもぴったりだと思います。
スープのおかげで娘たちは野菜嫌いを克服
娘が2人いるのですが、幼い頃は野菜が苦手だったんです。スープをつくる時は、少し濃い味つけにしたり、野菜を小さく切ったりと、いろいろ工夫をしました。野菜が苦手な子には、にんじんやかぼちゃをポタージュにしたり、シチューなど子どもの好きな味に野菜を入れてあげると、無理なく克服できると思います。ちなみに、娘たちはいまではすっかり野菜好き(笑)。いつも食卓に野菜たっぷりの汁物を出していたので、成長するにつれて「野菜を食べなくちゃ」と思うようになったみたいです。
春野菜の中で好きなのはグリーンアスパラガスです。この時期ならではの特別なおいしさと、何とも言えない香りがありますよね。以前は、太いものはかたくて味が落ちるというイメージだったのですが、いただいた北海道産の太いグリーンアスパラガスがとてもやわらかく、おいしくて、より好きになりました。スナップえんどうも大好きで、春は何かと活用します。娘が幼稚園児だった頃、スナップえんどうは食べてくれたので、お弁当にもよく入れていたなじみ深い野菜の一つです。
わが家にとって汁物は、「野菜をたくさん食べるためのもの」という位置づけです。だから、みそ汁やスープに野菜が少ないと、家族が「珍しいね」と言うほど。食卓に野菜をたっぷり使ったスープがあれば、それだけでごちそうになると思います。
〈プロフィル〉
さかした・ちえ 大手外食企業、食品宅配会社を経て独立。子育ての経験を生かしたつくりやすく栄養バランスのいい料理を得意とし、書籍、雑誌、企業販促用のレシピ開発、食育講演会講師など多岐にわたり活躍中。YouTubeチャンネル『Blue Terrace』公開中。
『野菜もりもり スープこそ最高のごちそう。』
阪下千恵著/主婦と生活社
定価:1540円(税込)
◇百菜元気新聞の2023年3月1日号の記事を転載しました。
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