鳥天とフライドエッグで親子丼!天ぷら職人の技が凝縮
親子丼といえば鶏肉を割り下で煮て、溶き卵でとじたものが一般的だが、メイン食材に鶏肉と卵を使用していたら、“親子”と名乗るのはやぶさかではない。天ぷら専門店が親子丼を作ると、「なるほど、そうきたか!」というのが、「天ぷら割烹 天山」の「鳥親子天丼」だ。
「鳥親子天丼」の始まりはまかないから。「普通に鳥天を卵でとじたものを、まかないで出していましたが、天ぷら屋ですから卵を揚げてみようかと。卵のフリットですね」と影山光世店主。
実は、影山店主は今でこそ天ぷら割烹の主(あるじ)だが、アメリカやフランスの一流店で通算11年間、修業を積んだ腕前の持ち主。「国産牛ホホ肉のブレゼ」が看板メニューの一つで、同店は、天ぷらとフレンチが同じテーブルで堪能できるという稀有(けう)な店だ。
「単なるフライドエッグ」と侮ってはいけない。「夏場は、ニワトリもたくさん水を飲むので、卵の水分が多く、白身が固まりにくい。かといって揚げすぎてはダメ。油の音に耳を澄ませてタイミングを見計らいます」というのが天ぷら専門店ならではのこだわり。
タレのかけ方にもこだわりがある。天ぷらを丼飯にのせてから丼つゆを回しかけるのではなく、揚げたての天ぷらを丼つゆにくぐらせてから丼飯にのせる。「高温で揚げた熱々の天ぷらをそのまま丼つゆに、ジュッとくぐらせると、つゆの醤油が香ばしくなるんですね」と江戸前天丼の作法に倣っている。
丼つゆの味は「勘」ではなく、醤油ボーメ計と糖度計で管理する。「その日の天気や自分の体調によって味覚は変わるので、味がブレないためです。忙しいときは、特にこまめにチェックするようにしてますね」。
人気メニューの「鳥親子天丼」には、天ぷら職人の技が凝縮しているのだ。
●店舗情報
「天ぷら割烹 天山」
所在地=東京都豊島区南池袋3-16-12/開業=1992年/坪数・席数=約20坪・20席/営業時間=11時30分~14時(ご飯がなくなり次第終了)、18時~22時。土・日・祝休/平均客単価=昼1000~1200円、夜5000~6000円/1日平均集客数=30~40人
◇外食レストラン新聞の2022年9月5日号の記事を転載しました。
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