2021年6月にオープンした「シュリケン164」は、まぜそば専門店。しかし、看板には「まぜたらアカン!」の文字が。初めての客は、まず「どうして?」の疑問符から始まる。看板メニューの「濃厚まぜそば」(Mサイズ850円)は、店側が麺とタレを混ぜてから具材をトッピングして提供する。具材にもしっかりと味が付いているので、「混ぜずに、麺と具材を単独で味わいながら楽しんでほしい」という趣旨で考案されているのだ。

既成概念にとらわれないスタイルは、他のメニューにも発揮されている。ラーメン店のサイドメニューでは焼きギョウザが一般的だが、同店では「水餃子」を提供。さらに、つけダレを添えるのではなく、タレをかけて出すのもユニークだ。

「普通のタレは、かければ下に流れ落ちてしまう。見た目も美しく、タレを全部楽しんでもらうために工夫しました」と、山本浩店主。タレは、玉ネギのベースにコチュジャンをプラスしたピリ辛風味。味はもちろん、下に落ちない粘度を追求した自信作である。

今後のメニュー開発では、夜のメニューとして“汁あり”の麺も考案したいとか。「普通のラーメンとは違うイメージの商品になるはず」(山本店主)と、こちらの登場も楽しみだ。

●店舗情報
「シュリケン164」
大阪府東大阪市四条町4-3

◇外食レストラン新聞の2022年3月号の記事を転載しました。