最近はSNSや雑誌で“腸活”という言葉を目にすることが増え、挑戦してみたいと思っているワーママは多いのではないでしょうか。腸内環境を整えるためには、良質な食物繊維を過不足なく摂取することが大切です。今回は、食物繊維たっぷりの献立を1週間分紹介します。おすすめのレシピや食べ盛りの子どもの食事との取り分け方なども紹介しているので、献立作りの参考にしてくださいね。

実際に作った一週間分の献立を紹介

初夏に旬を迎える野菜や、食物繊維が多いきのこを積極的に取り入れました。7日分の献立を見ていきましょう。

1日目の献立

夏野菜と挽肉のカレー炒めなど

・えのき入りハンバーグ
・山芋の梅肉和え
・枝豆のナムル
・わかめの味噌汁
・ご飯

ダイエット中や食生活を見直そうと思った時に、白ごはんなどの炭水化物を減らそうと考える方は多いのではないでしょうか。しかし、炭水化物にも食物繊維が含まれています。炭水化物を抜いたり極端に減らしたりせず、適度に摂取するようにしましょう。

ハンバーグに入れた「えのき」は言われなければ分からないほどよく馴染むので、きのこが苦手なお子さんも食べやすいです。

肉肉しさには欠けるので、食べ盛りの家族分は、えのきの分量を減らしてもいいかもしれません。中にチーズを入れて、ボリュームアップするのもおすすめです。

副菜は、枝豆にごま油と中華調味料をかけただけの簡単レシピです。枝豆は、食物繊維だけでなく植物性たんぱく質も豊富な食材です。

2日目の献立

ごぼうと牛肉の混ぜご飯など

・ごぼうと牛肉の混ぜご飯
・夏野菜のグリル
・きゅうりとわかめの酢の物
・なめこの味噌汁

ごぼうは、食物繊維が多い野菜の代表格。初夏に旬を迎える新ごぼうは、柔らかくアクが少ないのが特徴です。

この日は子どもが食べやすいように炒め煮にして食感を柔らかくし、牛肉と一緒に甘辛い味付けの混ぜご飯にしました。

味噌汁には、水溶性食物繊維が豊富ななめこをたっぷり入れています。きのこ類は年中安定した価格で手に入るので、腸活にも取り入れやすい食材ですね。

3日目の献立

アボカドとサーモンのポキなど

・アボカドとサーモンのポキ
・カボチャのサラダ
・にんにくのホイル焼き
・白ごはん
・パイナップル

意外かもしれませんが、アボカドも食物繊維が豊富な食材のひとつ。ポキといえばマグロで作るのが一般的ですが、今回はスーパーで安く売られていたサーモンの切り落としで代用しました。ねっとり柔らかいサーモンとアボカドは相性がよかったですよ。

子どもは刺身よりも加熱した料理の方が好きなので、バター醤油焼きに変更しました。同じ食材を使えば、大人と子どものメニューを変えてもそこまで手間がかかりません。

4日目の献立

ローストポークなど

・ひじきのふりかけ
・ローストポークのサラダ仕立て
・キクラゲの卵とじ
・エリンギの味噌汁
・ご飯

ひじきは、水溶性食物繊維が豊富な食材です。ただ、わが子は煮物だと食べてくれないので、甘辛いふりかけにしました。

メインはローストポーク。夫や子どもたちは、大きめカットでガッツリ食べてもらい、ママは、サラダ仕立てにして食物繊維を補足しました。

サラダにトッピングしたカシューナッツには、便の滑りをよくする効果があるといわれているオレイン酸が豊富に含まれています。

5日目の献立

夏野菜と挽肉のカレー炒めなど

・夏野菜とひき肉のカレー炒め
・とうもろこし
・冷奴
・ご飯

この日は忙しかったので、サッと作れる献立です。20分ほどで完成しました。

メインの夏野菜とひき肉のカレー炒めは、春巻きの皮で包んで揚げるのもおすすめです。噛みごたえがアップして、食べ盛りのお子さんでも満足できる一品になりますよ。

とうもろこしは、不溶性食物繊維が豊富な夏野菜。ラップで包んでレンジで火を通せば、時短&洗い物削減になります。

6日目の献立

ズッキーニと魚介のフリッターなど

・ズッキーニと魚介のフリッター
・茹で野菜のサラダ
・きのこのホイル焼き
・じゃがいもの味噌汁
・ご飯
・びわ

ズッキーニは一見大きなきゅうりのように見えますが、実はカボチャの仲間。食物繊維は、100gあたり1.3gです。

生でも食べられますが、油と相性がいいため今回はフリッターにしました。一緒にエビとホタテも揚げてボリュームアップ!食べ盛りのお子さんがいる場合は、ささみのフリッターもおすすめです。

キャベツは加熱することで量が減り、たくさん食べられますね。デザートは、初夏に旬を向かえるびわにしました。旬のフルーツは味が濃くて美味しい!

7日目の献立

肉豆腐など

・肉豆腐
・だし巻き卵
・もろきゅうとトマト
・ご飯

夫のリクエストで、肉豆腐がメインの夕食になりました。えのきとエリンギ、たまねぎ、白滝をたっぷり入れて食物繊維をプラス。わが子は豆腐が苦手なので、牛肉ときのこだけ取り分けて卵とじ丼にしました。

生野菜には、もろみ味噌を添えています。味噌は、腸活にかかせない発酵食品のひとつ。わが家ではスティック野菜やふかし芋にはドレッシングではなく、もろみ味噌をつけて食べることが多いです。マヨネーズと混ぜると、子ども向けの味になりますよ。

彩り100点!夏野菜とひき肉のカレー炒めのレシピ

夏野菜とひき肉のカレー炒めのレシピ

オクラは、夏野菜の中でも食物繊維が豊富な野菜です。カレー風味でご飯が進む味に仕上げました。

【材料】(4人分)
合い挽きミンチ 200g
オクラ 5本
なす 1本
パプリカ赤・黄 各1/4個
にんにく 1片
醤油 大さじ1と1/2
カレー粉 小さじ1
砂糖 小さじ2

材料

【作り方】
1.オクラはガクを取り斜め半分にカット、ナスとパプリカは乱切り、にんにくはみじん切りにする。

カットした具材

2.フライパンにサラダ油を入れて熱し、なすとオクラを入れて軽く炒めたら、蓋をして蒸し焼きにする。しんなりしたら一度取り出す。
3.サラダ油を追加し、にんにくを入れる。香りが立ったらひき肉を入れて、色が変わるまで炒める。
4.パプリカを入れてしんなりするまで炒めたら、なすとオクラを戻す。
5.調味料を入れてサッと炒めたら完成。

ふんわりジューシー!えのき入りのハンバーグのレシピ

えのき入りのハンバーグのレシピ

細かくきざんだえのきをたっぷり入れることで、食物繊維たっぷり&ふんわり仕上がります。柔らかくて食べやすいので、離乳食にもおすすめです。

食物繊維は水に溶ける水溶性食物繊維と、水に溶けない不溶性食物繊維の2種類に分類されます。えのきに多いのは、不溶性食物繊維です。不溶性食物繊維は腸や胃で水分を吸収して膨らむことで、満腹感を得やすいといわれています。

【材料】(4人分)
合い挽きミンチ 350g
えのき 1袋(約200g)
玉ねぎ 1個
卵 1個
牛乳 50ml
パン粉 大さじ5
塩 少々
こしょう 少々
チーズ お好みで
大根 5cm
大葉 1枚

材料

【作り方】
1.玉ねぎをみじん切りにして、600Wのレンジで2分ほど加熱し冷ます。
2.えのきをみじん切りにし、大根をおろす。

みじん切りにしたえのき

3.合い挽きミンチに塩を入れて粘りが出るまで混ぜたら、チーズ・大根・大葉以外の材料を入れて混ぜる。

材料を混ぜたもの

4.4等分し、お好みでチーズを入れて平たく成形する。
5.熱したフライパンで両面焼き色を付けたら、水を80mlほど入れ、蓋をして蒸し焼きにする。

蒸し焼きにしているハンバーグ

6.仕上げにお好みで大葉と大根おろしをトッピングしたり、ケチャップなどをかけたりする。

【働くママへのエール】美腸を目指して健康的に過ごそう

私が食物繊維を意識したのは、「センサーに手を当てるだけで野菜摂取の充実度が分かる」というイベントに参加したのがきっかけです。野菜は好きでよく食べていると思っていましたが、結果はまさかの不足!

確かに忙しいと簡単にお腹がいっぱいになる丼ものが多くなったり、食べ盛りの子どもがいるとお肉がメインの献立になったりしがちです。わが家も思い当たる節があるので、意識的に食物繊維が多い食材を取り入れることにしました。

でも、ひじきやごぼう、きのこなどは、苦手な子も多いですよね。ご多分にもれずわが子も苦手なので、えのきを刻んでハンバーグに入れたり、ごぼうはしっかり火を通して濃いめの味付けにしたりと食べやすい工夫をしています。

また、同じ食材を使えば、大人と子どもで調理法を変えたとしても買い物や下ごしらえの負担を減らせるはずです。

ドレッシングの代わりにもろみ味噌にするなど、いつもの調味料を腸活向きの食材に置きかえるだけでもいいでしょう。

ちなみに厚生労働省が推奨する1日あたりの食物繊維の摂取量の目安は、男性21g以上、女性18g(18〜64歳)以上です。

出典:
日本食品標準成分表
食物繊維の必要性と健康  e-ヘルスネット(厚生労働省)

日本人の多くが不足気味だといわれているので、日々の食事で食物繊維を意識的に摂取し、良好な腸内環境を作っていきたいですね。

(製菓衛生師 藤永瞳 @hitomi.f_mogu