フランス北西部ノルマンディー地方在住のトラベルコーディネーター小川裕子です。朝晩の冷え込みを感じる季節に入り、ようやく学校もスタートしました。私の住む村は人口1000人ほどの小さな田舎なので小学校も全校で100人弱。久々に会う友達と「夏休みどうだった?」という会話から始まり、楽しい学校生活が再開です。
さて、前回「トログロディット」と呼ばれる洞穴レストランをご紹介したのですが、今回はこの洞穴を利用した「キノコ博物館」と、そこで発見した「しいたけのビール」をご紹介いたします。

迷路のようなキノコ博物館へ

前回の記事はこちら
フランスの洞穴レストランで素朴なパン料理「フワス」を堪能

ソミュール市を流れるロワール川沿いを車で走らせること5~6分、左側に可愛らしい「キノコ博物館」の看板が見えてきました。

洞穴を利用しているだけにアリの巣のような形の博物館で、まずはキノコの標本が種類ごとに展示されており、その先奥にはキノコが栽培されている場所が見学できます。

キノコ博物館の地図

こちらはキノコの標本で、以前「キノコのケーキ」の記事でご紹介した La trompette de la mort(ラ・トランペット・ド・ラ・モール)が展示されていました。

あまりの種類の多さに身近に食べているキノコがどれなのか分からなくなるほどでしたが、奥まで進んでみると「えのき茸」の説明を見つけました。

“アジア料理ではえのき茸という名前で スープやサラダ、サンドイッチなどに使われています (中国、日本、韓国)”と書かれてあり、日本の代表的なきのこがここで紹介されていることに嬉しさを感じました。

スーパーで売られているえのき茸しか知らなかったのですが、「自然の中で育つえのき茸は茶褐色で軸は短め」とのこと。壁の説明書きの前に、ナチュラルなえのき茸が栽培されており、軸の部分が確かに茶色でかさは大きく開いていました。

自然に育ったえのき茸

洞穴の中で「しいたけ」も栽培

こちらの博物館では、奥の方に行くとパリのキノコ「Champignons de Paris」と呼ばれるマッシュルームキノコ、ヒラタケ、ピエ・ブルーと呼ばれる青い色をしたキノコ、そして「しいたけ」も栽培されております。

しいたけは 15~17℃くらいで適度な湿度のある場所に、以下のような感じで天井につるされた人工の小片ブロック (bûches artificielles)で栽培がされておりました。

栽培されているしいたけ

そして、シャンピニョン・ド・パリと呼ばれるマッシュルームも袋に入って栽培されているものが沢山並べられております。

“ソミュール地区では、フランス全土の85%のシャンピニョン・ド・パリを生産しています。”とのことで、この一定の温度に保てる洞穴の環境やキノコの栽培に湿度が必要なことを見学しながら学ばせて頂きました。

お土産に「Shiitake beer しいたけビール」はいかが?

見学の最後にはブティックで「Shiitake」が売られておりました。こちらの洞穴で作られた新鮮なshiitake 1キロで12€とのことでした。

またその隣にはなんと「SHiiMAKE」という名前の「Shiitake beerしいたけのビール」も売られており、どんな味なのか興味津々で購入してみました。

店員さんに、ここのしいたけで作られたビールなのか聞いてみたところ、こちらはベルギーで作られているものだそうです。アルコール度数は9%で濃い色合いとコクのある苦味、すっきりした飲み心地でした。

フランス国内でもあまり見かけたことのない「Shiitake beer(しいたけのビール) SHiiMAKE」。ソミュール市にお立ち寄りの際は是非お土産にどうぞ。

<見学先情報>
Musée du Champignon à Saumur
住所:Route de Gennes St Hilaire St Florent 49400 SAUMUR
電話番号:02 41 50 31 55