琥珀色の醤油ラーメンや貝だしのラーメンと共に、ラーメンスープを雑炊にした「釜焼き雑炊」が評判の「龍の羽 時色」。丁寧に仕込んだその味もさることながら、独創的なメニューで人気を呼んでいるが、同店のつけ麺も面白い。昆布だしに浸した麺を、鶏がらやモミジをじっくり炊いて一晩寝かせ、コラーゲン状にした煮こごりに絡めて食べる新感覚の創作つけ麺料理を提供している。

通常の汁やタレと比べて、煮こごりは麺の絡みが抜群によい。麺も通常とは異なり、茨城県産のそば粉をブレンドしている。ラーメンの魅力とそばの風味が合わさった麺は、鶏がらの味がじゅわっと染みた煮こごりとよく合い、一般的なつけ麺を超えて、どこか日本料理の雰囲気も感じられる。

ぷるぷると滑らかな口当りが心地よく、口中に入ると溶ける感覚も独特な煮こごりをつけ汁に使う発想は、つけ麺だけでなくさまざまなメニューに活用できそうだ。煮こごりを生かした新グルメを、メニュー開発してみてはいかがだろうか。

●店舗情報
「龍の羽 時色」
所在地=東京都新宿区西早稲田3-13-2

◇外食レストラン新聞の2022年12月5日号の記事を転載しました。