タルタルソースは、何かに“かける”のが一般的な食べ方。その概念を覆す、タルタルソース自体を主役にした商品が、大阪の「タルタルマニア」が開発した「タルタルクリスピー」だ。多彩な味のタルタルソースを棒状のハンディータイプで楽しむという驚きの発想で、新感覚のファストフードとして注目を集めている。

2021年8月にオープンした同店は、「炭焼地鶏鳥健」などを展開するTORIKENが経営する店。「鳥健ではチキン南蛮も提供していますが、そこで出すタルタルソースの人気が高いことから、『このソースを使って何かできないか』という思いがありました」と、同社代表取締役・木田和樹さん。

タルタルクリスピー(写真手前左から)「タルめんたい」「タル麻辣」「タルプレーン」「タルカレー」「タルがっこ」。タルプレーン280円、ほか各300円。写真奥左=「タルタルチキンバーガー」650円、同右=「濃厚タルタルチキン南蛮」(5個入り)450円

スタッフに「タルタルソースが大好き」という人材もいたことから、「いろいろなタルタルソースを作って販売する店ができれば、広く楽しんでもらえる」という発想が生まれたとか。

しかし、「普通に売るだけでは面白くない」と、他にはない商品を一から開発しようと決意。タルタルソースを入れて主役にした揚げ物を作りたいと研究し、1年ほどの試行錯誤の末に「タルタルクリスピー」が完成したという。“かける”ではなく“入れる”という驚きのアイデアである。

タルタルソースを入れるオリジナルのクリスピーコーンは約10cm。オーダーが通ってからコーンフレークをまぶし、こめ油で揚げて揚げたてを提供する。サクサク感を追求するために、調理工程ではきめ細かな工夫を施しているとか。

食べやすさと飽きずに食べられる量を考えた、約10cmのハンディータイプ

タルタルソースは35g注入。マヨネーズ1kgに卵を20個使用し、甘味を残しつつあっさり食べられる味わいを目指して開発している。現在、タルタルソースは全5種類で、プレーンのほか、明太子やカレー、いぶりがっこを取り入れたものなどさまざまな味を用意。食べ比べてみたい興味が湧く品揃えだ。

その他、ハンバーガーやカップ入りのチキン南蛮など、タルタルソースをたっぷり使用した商品も提供。1日20個限定の「タルタルたまごサンド」(600円)も好評で、毎日完売の人気商品となっている。

タルタルクリスピーの種類は今後も増加する予定で、新メニューの登場にも注目である。「近隣のほか、SNSで見て大阪観光のついでに来店する方もいます。タルタル好きは多いですし、さらなる集客アップを目指したい」と、木田さんは語る。

カフェのような白い外観で女性客が7割。店内飲食、テイクアウトとも可

●店舗情報
「タルタルマニア」 経営=TORIKEN/店舗所在地=大阪市北区天神橋3-4-7/開業=2021年8月/坪数・席数=約18坪・16席/営業時間=11時30分~20時。月曜休/平均客単価=1000円

◇日食外食レストラン新聞の2022年2月7日号の記事を転載しました。