各地の高品質な日本酒と長崎から直送で仕入れる希少な生本マグロなどを売りにする東京・大崎の居酒屋「米と魚 酒造 米家ル 大崎本店」。気軽な価格ながらワンランク上の料理が人気の理由だが、同品はそうしたサービス精神ならではの一品だ。
 

居酒屋のサラダ商品であれば、食材の上からドレッシングをかけるのが一般的。だが同品はマヨネーズで皿に線を描き、その上に食材を盛り付けている。これはモダンなフランス料理などでよく見られる、料理の皿をさながら現代絵画に見立てて、見た目の美しさを引き立てる技法。これを居酒屋料理で実践している点に同店のセンスが光る。

マヨネーズはそのままだと粘度が強く極細線を描きにくいため、米酢でのばす工夫をしている。また半割りしたアボカドの外皮を器に見立てて、そこから食材があふれ出ているかのような盛り付け方も心憎い演出だ。

サーモン、アボカドの組み合わせは女性客の人気が高く、注文されやすい。それだけにビジュアル面で差別化することでSNSで拡散されたり、口コミの評価が高まるといったさまざまな効果を生み出しているという。

●店舗情報
「米と魚 酒造 米家ル 大崎本店」
所在地=東京都品川区大崎3-6-17 ニュー大崎ビル2階

◇外食レストラン新聞の2021年3月号の記事を転載しました。