名前とは裏腹に夏に旬を迎える「冬瓜」。丸ごと手を加えなければ冬まで保存がきくことが名前の由来で、すいかやキュウリなどと同じウリ科の野菜です。ビタミンCやカリウムを多く含み、体の熱を下げたり消化を助けたりと、夏バテしやすい時期に最適の食材。下ゆでして上品に味をつけたものを料亭などで食べるイメージがありますが、実は気軽に煮炊きしても十分おいしく、炒めても、生で食べてもおいしい便利な野菜。普段の食卓に冬瓜を取り入れてみませんか?

下ゆで不要!冬瓜とえびの煮物

冬瓜は火が通りにくく煮崩れしやすいことや、きれいな色味をいかすために下ゆですることが多く、どうしても手がかかるイメージがありますよね。でもご家庭で食べるときは、火が通りやすいように小さめに切るなどの工夫をすれば簡単に調理できます。

また、煮始めてしばらく放っておいても大丈夫な食材でもあり、我が家では調理の初めに冬瓜から手を付けて、煮ている間に他の物を調理すれば、ちょうど良い頃合いにすべて仕上がる便利な食材としてとらえています。

もし多少煮崩れたとしても、やわらかく優しい食感が独特でおいしいので(子どもたちも大好きです)、あまり難しく考えずにぜひ一度お試しください。

【材料】(2~3人分)
冬瓜 1/8個
海老 10尾程度
昆布 1枚(5g程度)
生姜 1かけ
酒 大さじ1
塩 ひとつまみ
薄口醤油 大さじ1
片栗粉 大さじ1
水 大さじ2

【作り方】

1.冬瓜は種とわたと皮を除き、食べやすい大きさに切る。鍋に冬瓜を入れ、浸る程度の水と昆布を入れて中火で煮る。煮立ち始めたら火を弱め、静かに火を通す。

2.海老は背わたと殻を除いて流水でしっかりと洗い、粗く刻んで酒と塩をかけておく。
3.冬瓜が透明になり竹串がすっと通るようになったら、昆布を取り出し、薄口醤油を加える。
4.(3)に海老を加え、火を通す。味を見て塩や薄口醤油で調味する。
5.片栗粉を水で溶き、(4)に少しずつ加えて好みのとろみにする。
6.器に盛り、千切りした生姜をのせる。

10分でできる!冬瓜のこってり炒め物

あっさりとした味付けのイメージが強い冬瓜ですが、強めの味付けで炒めるのもおすすめです。火が通りやすい形に切り、お肉と合わせてさっと炒めれば短い時間でも味がしっかりと染みて、独特の食感と風味を楽しむことができますよ。

やわらかくしんなりした冬瓜はお肉によく絡みます。炒め物に冬瓜を使う時は、こってりとした味わいが合うように思います。

【材料】(2人分)
冬瓜 1/8個
豚バラ肉 200g
生姜(千切り) 1かけ
酒 大さじ1
砂糖 大さじ1
醤油 大さじ1
胡麻油 適量

【作り方】
1.冬瓜は種とわたと皮を除き、拍子切りにする。
2.フライパンに胡麻油を熱し、生姜を加えて香りをたたせる。
3.豚バラ肉を加え、焼き色がしっかりつく程度まで、あまりいじらず焼く。
4.冬瓜を加え、しんなりと透明になるまで炒める。
5.酒、砂糖、醤油を加え、調味する。

10分でできる!冬瓜の塩昆布和え

実は生でも楽しむことのできる冬瓜。煮物や炒め物では味が染みやすい食材ですが、生で食べると「冬瓜ってこんな味」という風味を強く感じることができます。そのまま刻んでポン酢をかけるだけでも十分おいしいのですが、我が家では、子どもでも口にしやすいように塩で軽くもんでから使っています。

【材料】(2人分)
冬瓜 1/8個
塩 少々
塩昆布 適量
胡麻油 適量

【作り方】

1.冬瓜は種とわたと皮を除き、薄いいちょう切りにする。

2.軽く塩をまぶしてもみこみ、5分ほどおく。

3.キッチンペーパーで水分を取り、塩加減を見ながら塩昆布と胡麻油で調味する。

まとめ

いかがでしたか。なかなか家庭料理のイメージがない冬瓜ですが、他の野菜と同じように、煮ても焼いてもおいしい食材です。合わせる食材もあまり選ばずさまざまな楽しみ方ができますので、ぜひ一度試してみてくださいね。