「甘辛」の重ね技がクセになる…焼肉酒場の稲荷ホルモン
近年、多くの焼肉店で目にするようになったトレンド商品といえば「肉寿司」だ。その多くがシャリの上に加熱処理を施した肉をのせて寿司に見立てたもの。千葉・柏の繁盛焼肉店「焼肉酒場 TOMOSANKAKU 本店」でも「和牛寿司」と称して同様の商品を揃えるが、ひときわ個性が光るのが油揚げでホルモン肉とご飯を包んだ「稲荷ホルモン」だ。
ホルモンのプリプリ食感がおいしさの決め手
使用するホルモン肉はマルチョウやシマチョウなど。これを自家製の味噌だれで脂が出てくるまで煮込む。シャリは硬めに炊いたご飯をだしで味付けしたものを使用、油揚げは醤油ベースで甘辛く味付けしている。それぞれ異なる調味料で「甘辛」に仕上げた材料を組み合わせている点が同品ならではの味を生み出しているわけだが、とにかく濃厚でクセになる。
「2013年10月のオープン以来、日販30皿を売るロングセラー品。ホルモンのプリプリ食感がおいしさの決め手となるため、できたて熱々の状態で食べていただくよう配慮しています」と染谷昌幸店長は語る。さらに「シャリは味が目立たないよう少なめにしている」と染谷店長は説明するが、シャリがあることでホルモン肉の脂と調味料ダブルの濃厚な味をリセットして食後感を軽くさせている点が秀逸だ。
その他の和牛寿司商品は「和牛炙り大トロ」「ハラミ握り」「牛タン握り」各2貫529円など計8品をラインアップ。組客当たりの注文率は100%と絶大な人気を誇るが、「締めというより酒のつまみとして注文するお客さまが多い」と染谷店長は笑う。
看板商品は厚切りカットの「がっつきロース」
同店は1日の来店客が120人に達し、うち女性客が5割を超える。その理由はA4ランク以上の和牛肉をリーズナブルに提供しているから。グループに食肉加工卸会社を持つ強みを生かして、仕入れと仕込みの両面を強力バックアップ。良質廉価を追求したことが、圧巻の集客力の源泉となっているわけだ。
看板商品は100gの1枚カットで提供する「がっつきロース」や「特撰ステーキ」(部位はカルビ)で、どちらも限定8食1393円。その他の商品も食べ応えある厚切りカットが特徴で、肉をかみ切る醍醐味が客のハートをわしづかみにしているのだ。
本店の繁盛ぶりをふまえて、徒歩3分の至近距離に2号店となる「はなれ」を16年2月にオープン。個室を設けて本店では弱かったファミリー客の集客に成功。さらには16年11月には線路をまたいだ西口に3店目をオープン。今後も多店化を進めていく意向で、新鋭焼肉企業として成長ぶりに注目が集まる。
●店舗情報
「焼肉酒場 TOMOSANKAKU」 経営=TOMOSANS COMPANY/店舗所在地=千葉県柏市柏3-6-15 ATSビル1階/開業=2013年10月/営業時間=日~木午後5時~翌午前0時、土・日・祝前日午後5時~翌午前4時、無休/坪数・席数=20坪・40席/1日平均客数=120人/平均客単価=3000円
◇日食外食レストラン新聞の2017年2月6日号の記事を転載しました。
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