12月は年末年始の準備に向けて、毎日が慌ただしくすぎていきますね。こんにちは。福岡の管理栄養士の大山加奈惠です。今回は年末年始に活躍する超簡単なローストビーフの作り方をご紹介します。フライパンで焼くだけ、たれに漬けこむだけの簡単レシピなので、ぜひ作ってみてくださいね。

焼くだけ・漬けこむだけで料理の達人に

ローストビーフの作り方はいろいろありますが、今回は超簡単。フライパンでかたまり肉を焼いて、ソースに漬けこむだけのレシピをご紹介します。

調味料は、だし汁、薄口しょうゆ、みりんだけ。かたまり肉さえ準備すれば、あっという間に出来上がりです。おもてなし料理として、一品持ち寄り料理として、行楽弁当のおかずとして、大活躍の肉料理です。

このローストビーフの作り方をマスターすれば、料理の達人になれること間違いなしですよ♪

【材料】(1本分・作りやすい分量)
牛ももかたまり肉(ローストビーフ用) 300~350g
塩 少々
こしょう 少々
サラダ油 適量
●だし汁 450cc
●薄口しょうゆ 大さじ4
●みりん 大さじ4
わさび(マスタード) 適量

【作り方】
1.牛肉は室温に戻しておく。塩、こしょうを全体にすりつける。

2.フライパンにサラダ油をひき中火にかけて、牛肉の表面を全て焦げ目ができる程度に焼きつける。

3.●の調味料を鍋に入れて、火にかける。沸騰したら、(2)の牛肉を入れて、落とし蓋をして火を止め、そのまま1時間程度放置する。

4.肉を焼いたフライパンに煮汁を適量入れて、半分程度に煮つめて和風ソースを作る。

5.冷めたら、薄く切り分けて皿に盛り付け、野菜やマスタード、わさびを添え、全体にソースをかけて出来上がり。

並べたお肉のまわりに野菜を盛り付けると、華やかなメインオードブルの完成です。ソースがなくてもお肉に味が付いているので、そのままでも食べられますよ。大根おろしや市販のローストビーフソースとの相性もいいので、試してみてくださいね!

ローストビーフには脂身が少なく赤身が多く、かたまり肉にしやすい「うちもも」を使おう

ここ数年の福岡の冬を彩るイベントのひとつでもある福岡クリスマスマーケット。今年は福岡市内3カ所で、本場ヨーロッパの空気を感じられるクリスマスデコレーションを行っていました。

オリジナルのマグカップに入れられたホットワインとお料理を食べながら、音楽ライブを楽しむ人々の風景が福岡の冬の新しい風物詩になっているんです。イベントのお楽しみ・屋台料理の中でも人気は、やっぱりお肉。ホットワインにも赤身の牛肉があいますよね。

牛肉は部位により肉の特性がはっきりしています。肉質が柔らかい部位はステーキや焼き肉で食べるのがおすすめで、加熱しすぎないことがポイント。逆に筋が多く固い部位はシチューや煮込み料理に向き、加熱するほどに柔らかくなります。

簡単に部位の特徴とオススメの調理法をご紹介しますね。

<ネック>
首の部分でよく運動する部位なので肉はきめが粗くて硬め。じっくり煮込んで旨味を引き出すシチュー、カレーに最適。

<かたロース>
キメの細かい柔らかい部位で、霜降りが入り牛肉特有のコクと風味が楽しめる。しゃぶしゃぶ、すき焼き、焼き肉がオススメ。

<かた>
脂肪が少ない赤身肉。じっくり煮込むと柔らかくなるので、煮込み料理に最適。

<リブロース>
赤身と脂身のバランスが良く、肉本来の美味しさが味わえる。霜降りのものは最上級。すき焼き、ステーキ、ローストビーフに。

<サーロイン>
キメが細かく柔らかい、最高部位のひとつで、風味、形が抜群。ステーキに最適。

<ヒレ>
脂肪が少なく、極めてきめの細かく柔らかな部位で上品で淡白な味。揚げ物、バター焼きなど油との相性がいい。

<ランプ>
柔らかい赤身肉で、味に深みがある。ステーキ、ローストビーフ、すき焼き、たたきなどがおすすめ。

<うちもも>
牛肉の中で最も脂身の少ない赤身肉。かたまりにしやすいので、ローストビーフやたたきにおすすめ。

<そともも>
運動をする筋肉が多い部位なので、きめが粗く、脂肪が少なく硬め。こまぎれにして、炒め物、煮込み料理に。

<バラ>
赤身と脂身が層になった三枚肉。濃厚な風味が味わえる部位なので、焼き肉、すき焼き、ハンバーグにもおすすめ。

<すね>
足のふくらはぎの部分。筋が多く固いので、長時間煮込んで柔らかくし、だしをとるのにおすすめ。シチュー、ポトフにおすすめ。

ローストビーフを作るときは、霜降り(さしが入っている)具合(多い、少ない)がそれぞれ人の好みで分かれますが、初心者は、「うちもも」の部位を選びましょう。

ブロック肉にしやすい部位なので、調理する際にも扱いやすく、火の入り方が均一になり加熱しすぎてパサパサになる失敗が少なくなります。肉の厚みや形が整っているので、味の染み込み方も同じになりますよ。

「うちもも」の部位で、赤身が多く、脂身がサシで入っているものが味のバランスが良く、おすすめです。

ローストビーフ用として売っている部位もあるので、それを購入するのも便利ですね!
今回使用した牛肉は、ローストビーフ用のかたまり肉です。

ローストビーフの起源はイギリス、日曜のご馳走として食べられています

ローストビーフは、伝統的なイギリス料理。牛のかたまり肉をオーブンなどで焼いて、直前に薄く切り分けてから食べます。ローストビーフの起源は古く、古代ローマ軍が牛肉を焚き火で焼いて食べたことが始まりと言われています。

また昔のイギリス貴族は、日曜日に牛をまるごと一頭さばいてローストビーフを焼くサンデーローストという習慣があり、一番のご馳走だったとか。平日は残った冷たいローストビーフを食べ続けていたそうです。温かいと冷えてるでは、美味しさも雲泥の差でしょうね。

日本では明治以降に肉食が一般化したころ、ローストビーフの調理法が紹介されたそうです。

行事やイベントでローストビーフを必ず食べる!ということはありませんが、人目をひく一品として、おせちやパーティ料理に人気の料理ということは間違いありませんね!

最近は、インスタ映えする料理として、「ローストビーフ丼」が大人気。いつの時代も、見た目押しの肉料理なのは、間違いなしのようですよ。