プチプラアイテムでいつもの食卓をパッと華やかに演出するテーブル&フードスタイリストの渡辺有子です。秋の夜長の風流な季節行事といえばお月見ですね。季節を感じられる行事を暮らしに取り入れて、実りの秋を満喫してみてはいかがでしょうか。今回は、簡単にできる手作り団子でお月見行事をおしゃれに楽しむスタイリングについてご紹介します。

風流な秋の行事、十五夜と十三夜

秋の季節行事「月見」は、旧暦8月15日に満月を眺める十五夜が有名ですが、旧暦9月13日の十三夜にも月を眺める風習があります。月の満ち欠けにより決まるため、毎年その日取りは変わり、2018年の十五夜は9月24日、十三夜は10月21日になります。

旧暦の8月~9月頃の秋の夜空は空気が澄んでいて、1年で最も明るく美しい月が見られるとあって、古くから親しまれてきました。

またどちらの月見も、実りの秋の収穫に感謝し豊作を願う気持ちが込められ、お月様が見える窓辺などにススキや秋の七草とともに月見団子をお供えします。

月見団子は意外と簡単!手作りしてお供え

この時期になると和菓子屋さんに趣向を凝らした月見団子が並びますが、意外と簡単に自宅でも作ることができます。

作り方は、白玉粉もしくはだんご粉と砂糖を混ぜ合わせ、同量程度の水を加えて耳たぶ程度の柔らかさにしてから丸く整え、茹で上がったら冷水にとったら出来上がりです。特別な器具も不要で手軽です。

きちんとした月見のしつらえでは、「三方(さんぼう)」と呼ばれる神事などで使用される白木の台に団子をのせますが、お盆や大皿で代用するのも一案です。懐紙を敷き、お団子を丁寧につんでみましょう。

ちなみに写真のように積み上げる場合には、弾力があるだんご粉で団子を作った方が、形もしっかりして盛り付けやすいですよ。

お供えして少し時間をおいて「おさがり」をいただく時には硬くなってきているので、私は一度水に通すようにしています。

串にさして食べやすい月見団子!

お供えに用意する月見団子ですが、やはり「おさがり」はおいしくいただきたいですね。食後のデザート感覚で楽しむ月見団子なら、串にさしておくと食べやすくて楽しい演出になります。

下の写真は、先ほどと同じ要領で月見団子を作ってから竹串に3個ずつ通して、みたらしのタレを添えて用意しました。たっぷりタレをつけながら食べると食卓も盛り上がります。

そのほか、きな粉やあんこを用意しておき、お好みでトッピングしながら食べるのも良いですね。白玉粉を使うともちもちと柔らかくツルっとした口当たりになります。お好みの団子の食感を見つけて作ってみてくださいね。

かぼちゃを混ぜて黄金色の月見団子をプラス!

だんご粉や白玉粉にレンジ蒸ししてつぶしたかぼちゃを加えて混ぜ合わせると、黄金色の満月を模した月見団子の出来上がり! かぼちゃの鮮やかな色合いが出るように、皮をむいてからレンジ加熱してつぶすようにしましょう。

いくつかの団子に色づけして作ることで特別感も出ますし、手作りの月見団子ならではの楽しい食卓が広がります。簡単に作ることができるのでお子さんと一緒に丸めて作業するのも良いですね。

透明なケースに入れて並べ、小さなピックをさして用意しておくと、食後のデザート感覚で食べやすく見た目にもオシャレに仕上がります。

秋の夜長を楽しむ風流な季節行事である月見は、月の満ち欠けにより毎年その日付が変わることもあり、忙しい毎日に追われているとつい忘れられがちですが、収穫への感謝と祈りが込められており、食と強く関連のある大切にしたい季節行事の一つです。

行事の意味を理解しつつ、おいしく楽しく食卓を楽しめる演出をすることで、食育にもつながりますので、ぜひ今年の秋は月見を楽しんでみてはいかがでしょうか。