アメリカの家族連れやシニアに人気の「クラッカーバレル(Cracker Barrel)」。ノスタルジアを醸し出す古き良きアーリーアメリカンの暖かい雰囲気に包まれたレストランだ。ポーチには、売り物のロッキングチェアが並ぶ。その昔、ポーチは、ゆっくりくつろぐ場であり、交流の場でもあった。

雑貨や駄菓子も売る「よろず屋」

ポーチに並ぶロッキングチェアは売り物

ドアを開けると、目に入ってくるのは、懐かしの雑貨や駄菓子だ。いにしえのゼネラルストア(よろず屋)をコンセプトに、アメリカーナ(アメリカらしい)グッズ、キルト、1950~60年代のおもちゃの他、キャンドルなどのインテリアグッズが所狭しと陳列されている。

レストランに勝るとも劣らない充実したラインアップで、買い物に来たついでに食事を、あるいは食事に来たついでに買い物を、と持ちつ持たれつの存在だ。

レストランは、店の奥にあり、大きな暖炉には火がくべられ、壁には、開拓時代に使われた道具などのアンティークが飾られている。「Home away from Home(家庭から離れたところにある家庭)」をモットーに「温かく心なごむ料理」を提供。ビスケットも手でこねて作り、マッシュポテトも一から作っている。ローストビーフは18時間かけて焼くという。

南部のテネシー州が発祥

南部のテネシー州が発祥の地であることから、ビスケットやコーンブレッド、フライドチキン、ナマズのフライ(もしくはグリル)など、南部料理を特徴とし、また、ポークチョップ、ミートローフ、チキンポットパイなど、懐かしい家庭料理が並ぶ。

「ミートローフ」(10$49¢)

朝ご飯は一日中食べられる。ランチとディナーのメニューがあるが、どれも手頃な値段だ。平日のランチは5$99¢、ディナープレートは7$99¢。

どちらも、揚げリンゴ、コールスロー、ダンプリング、マカロニ&チーズ、グリーンサラダ、ハッシュブラウン、蒸しブロッコリー、新鮮なフルーツなど約20種類あるサイドディッシュから2点を選ぶことができ、バターミルクビスケットかコーンマフィンが付いてくる。

「ママズ・パンケーキ」(8$69¢、ベーコンもしくはソーセージと2個の卵料理を含む)

もう少し値の張るファンシーフィクスィンは、3点のサイドディッシュが選べ、リブアイステーキ(15$59¢)、ローストビーフ(11$69¢)、エビのフライ(10$99¢)など、12種類あり、プレートよりも量が少し多めになっている。

他にも日替わりディナーや、サンドイッチ、サラダ、キッズメニューも用意。コーヒー、アイスティー、レモネードなどの飲み物は飲み放題だ。

「チキン&ダンプリング」(9$69¢、鶏の胸肉とダンプリングをチキンのストックでとろとろ煮た料理)

同店の特徴は、とにもかくにも懐かしい食体験。日本にたとえれば昭和を彷彿とさせる駄菓子屋に、おふくろの味を食べさせる食堂が付いているとでもいったところだ。懐かしの時代にワープできるアミューズメントパークとして、全米に652店に拡大している。

「ニジマスのレモンペパーグリル」(10$79¢、1切れのディナープレートは7$99¢)

◆代表料理
1)ナマズのフライもしくはグリル 10$99¢
2)ミートローフ 10$49¢
3)チキン&ダンプリング 9$69¢

◇外食レストラン新聞2018年7月2日号の記事を転載しました。