買い物や料理が面倒、お金がかかりそう、何を作ればよいのか分からない……。「家飲み」ならまだしも、「ホームパーティ」ってちょっとハードル高いイメージがあります。今回はアニヴァーサリー・プランナー江口由夏さんをたべぷろ編集部員S宅に招き、ホームパーティをストレスにしない、メニューの考え方や料理のコツなどを教えてもらいました。

まずテーマを決めましょう♪今回はトロピカルな「サマーパーティー」

インスタ映え間違いナシのこの料理、材料は全部うちにあったもの。冷蔵庫の中で忘れ去られていたもの多数、微妙に残っていた焼肉のタレ、ジャム…。使い道が限られていると考えていた食材も使って、こんな楽しいトロピカルな食卓にしていただきました。今回のテーマは「サマーパーティー」です。

Yuka’sアドバイス:まずはテーマを決めましょう。トロピカル、エスニック、ワイン向け、子ども中心など、テーマが決まっていれば余計な買い物もなくなりますよ。

我が家の冷蔵庫をチェックした由夏さん、なぜか2つもあるザーサイの瓶詰に苦笑い(うち1つは賞味期限ぎりぎり)。「かわいそうだから、これ使ってあげよう」と救出を宣言してくれました。

ほかに選ばれたのはこの子たち。野菜室で忘れられていた使いかけのニンジン(2切れもあった)、ところどころしなびてきたシソ、発酵しすぎ感満載のキムチ、昨夜の余りご飯も手に取ってくれました(良かったね!)。そしてお菓子のストック棚からとんがりコーンも。

これだけでおいしそう

下準備は簡単。まずは温かいご飯2杯分ほどにつなぎの卵と塩コショウ、チーズを混ぜたものをフライパンで直径4~5センチくらいに丸く焼きます。この「焼きリゾット」が、メニューのベースになります。

Yuka’sアドバイス:焼きリゾットなど料理は小さめに作ります。フィンガーフード風にまとめるといつもの料理・食材もパーティ風に見栄えがします。

合わせ調味料やジャムを上手に使えば楽ちん

さらに、茹でた豚肉(100グラム)、茹でたオクラ、卵焼き(卵2個分)、みかんジャム(大さじ1)と焼肉のタレ(大さじ1)で下味をつけ焼いた豚肉(100グラム)、塩コショウと酒を振って焼き、スイートチリソース(大さじ1)で味付けをした牛ひき肉(80グラム)を準備。

Yuka’sアドバイス:合わせ調味料を上手に使って、手間を減らして。焼肉のタレはガーリックやフルーツ、お醤油などお肉を漬け込むのに必要なものがバランスよく入っているから便利です。

ニンジンは千切りにし、ざく切りにしたザーサイと混ぜます。田舎から大量にもらったものの、若干飽きられていた日向夏もざく切りに。使ってくれてありがとう!

そこに、とんがりコーン、サバ缶、さんまのかば焼き缶、キムチ、刻みのり、プチトマト、シソ、レタス、ニンジンとザーサイをドレッシングで和えたもの、持て余していたサルサソース、キューブのチーズ。

役者は揃いました!これらをパーティ風に盛り付けます。どう化けるのか楽しみ!

焼きリゾットのカナッペ風は全4種!ピックを使って非日常感

テーブルクロスをしくだけで、非日常感!このひと手間でぐんと華やぎます。家にある布でもOK。ビニール製のものが100均でも売っているそうです。

Yuka’sアドバイス:テーマ同様、「テーマカラー」を決めるとテーブルクロスやカトラリーが決めやすいです。2~3色におさえるとまとまりやすいです。今回はテーブルクロスなどメインは黄色。緑とピンクがアクセントに。

組み合わせる食材を決めたら、ピックで刺していきます。1つ目は「豚肉のさわやか柑橘カナッペ」。編集部員Sの母お手製のみかんジャムと焼肉のタレで焼いた豚肉は「柑橘つながり」で日向夏と組み合わせました。

一番下に焼きリゾットがくるように。

Yuka’sアドバイス:ピックがあると残りものばかりを使った料理でも非日常感が出るので、常備しておくと便利です。フライングタイガーなど海外の雑貨店でオシャレなものが100円くらいから売っています。

2つ目はスイートチリソースで味付けしたひき肉の上にサルサソースとチーズをのっけて……、

とんがりコーンとオクラでトッピング。名付けて「とんがり帽子のピリ辛エスニックカナッペ」

3つ目は、茹でた豚肉、発酵食品つながりでキムチとカッテージチーズ、刻み海苔を組み合わせ、「キムチが効いてる!韓国風カナッペ」

4つ目は、卵焼きとサンマのかば焼き(缶詰)、茹でたオクラをトッピングして、「オクラとサンマの常夏サーフボード」

Yuka’sアドバイス:オクラを縦に切るなど、野菜の切り方をちょっと変えてみるだけでオシャレ感が出ます。

これでカナッペ4種はできあがり。「具材をいろいろ用意して、子どもと一緒にトッピングしても楽しいですよ」と由夏さん。確かに!“多国籍手巻きずし”みたいな感じで盛り上がりそうです。

意外な組み合わせでザーサイがサラダに大活躍!

お次はサラダです。グラスに盛り付けるだけで、さっきまで冷蔵庫でしょぼんとしていたニンジンとザーサイが、パーリーピーポーに変身!

Yuka’sアドバイス:盛り付けは透明なグラスに入れて中の色を見せたり、高さを出したりすると一気に華やかになりますよ。家にあるものを上手に使って。

「ザーサイとニンジンの爽やかラぺ風」。ニンジン、ザーサイ、ゴマ、そして……「普通ならゴマ系のドレッシングだけど、使ってみよう」と、いたずらっぽい顔をして由夏さんが選んだのは、冬に買って使い切れずにいた瓶入りの「すだちの絞り汁」と「キューピーテイスティイタリアンドレッシング」。

「ザーサイにすだちとイタリアンドレッシング!?」と思ったけど、意外や意外、ザーサイが味のアクセントになって歯ごたえも楽しく、夏らしいさわやかな一品に。冒険してみるものですね。

Yuka’sアドバイス:スイートチリソースやザーサイ、サルサソースなど風味が個性的なものはアクセントになってほかにいろいろ調味料を使わなくてもパーティ風になりやすいです。「合わないかも…」とちゅうちょせず、冷蔵庫に残っているもので積極的にチャレンジしてみて。

最後は、サバ缶、プチトマトとチーズ、シソを組み合わせ、「サバの和風カプラーゼ風」。今流行りのサバ缶とトマトのマリアージュで、さっぱりといただけます。

地味な残りもので、こんなに楽しい食卓に! 計6品もできました。お腹はもちろん、夏らしい楽しい見た目で視覚的にも大満足なパーティメニューです。

取材を終えて ~編集部員Sのつぶやき~

由夏さんを見ていて思ったことは、下準備があっという間に終わったということ。茹でるだけ、漬けて焼くだけ、切って和えるだけ、シンプルな作業に終始していました。逆に盛り付けは「これ使おう」「これ乗っけてみよう」と思い切り楽しんでいる様子。まるでキャンバスに自由な発想で絵具を乗せていくアーティストのようでした。

そして何より楽しそう!グッズも100均などで揃えられるものばかりだし、これなら私にもできるかも!?


江口由夏 プロフィール
大学卒業後、イギリスとフランスで料理・製菓・ケータリングを学び、帰国後はカフェや料理教室の講師として働く。ホームパーティ好きが高じ、アニヴァーサリー・プランナーのディプロマを2017年に取得。
詳しくはインスタから。