熊本県熊本市在住のたべぷろ編集部員・涼野リノです。大分で生まれ育ち宮崎で学生時代を謳歌し、東京の荒波にもまれ、帰ってきた九州・熊本の地で感じた各地での「食文化のちがい」をご紹介。今回は熊本に住んで初めて知った、知られざるスイカの旬のヒミツに迫ります。

日本一のスイカ県、おいしさの秘訣は?

夏休みに照りつける日射しの下でスイカ割り!なんて思い出から想像すると、スイカの旬は7月〜8月だと考えがちです。しかし生産量では日本一を誇る熊本スイカの旬は、実は4月から始まっていたのです!本当に甘くておいしいスイカの味を楽しむなら、やっぱり旬に食べなくちゃ♡

スイカのおいしさをはかるモノサシは甘さ(=糖度)・シャリ感(=食感)・果汁の多さの3つ。特に熊本県植木町のスイカの糖度は平均で13%(サツマイモやマンゴーと同等)という高さなんだとか!

植木町を含む、熊本県北部を中心に栽培されているスイカは主にハウス栽培。なんと一番早い収穫時期は1月という農家さんもあるそうですよ。どうしてそんなに早い時期から、甘みの強いスイカを収穫できるのか?その秘訣は地形にあります。

熊本県は盆地なので、昼と夜の温度差が大きいのが特徴。スイカの甘みは、この「昼夜の気温差」が激しければ激しいほどギュギュッと増していくそうなのです。さらにハウス栽培をすることによって、まだまだ春はこれからという時期でも温室で日中は40℃以上をキープ!そして夜はひんやり湿度も管理され「日本一のスイカ」は育ちます。

スイカ好きの皆様、今年はぜひ梅雨が明けるまでに♪

全国に先駆けて出荷を始める熊本県のスイカ。筆者もここぞとばかりに味わってみました。正直、これまでスイカはあまり好んで食べる方ではありませんでしたが、春の熊本スイカは掛け値なしに驚きのうまさ!

「糖度11度」と書かれたシールが貼ってあったのですが、実際に食べてみると豊かな甘みがしっかり感じられました。とにかく、甘い!そして「シャリ感」というのは素人にはちょっと分かりませんでしたが、去年までの記憶にあった「スカスカした繊維質な食感」は一切なく、「フワッと緻密で柔らかな食感」とジューシーさがあり、例えるならリンゴのジョナゴールドをすり下ろしてから圧縮したような・・・伝わるでしょうか。

スイカへの期待値が低かった筆者(スイカ農家さん、ごめんなさい)でさえ感動する、熊本の春〜初夏のスイカ。全国のスイカ好きさんには是非とも体験していただきたいです。

スイカは追熟しません!買ったらすぐ食べよう

スイカは他の果物と違って、「追熟」しません。(ちなみにスイカは野菜ですよ♪)つまりスーパーで買ってきた後お家で寝かせて食べごろまで熟す、なんてことはしなくていいのです。肝心なのは、スーパーに並んでいる沢山のスイカの中から完熟したスイカを選ぶこと!そして買ったらすぐ食べること。

カットされているスイカなら、赤みが強くて、皮の側まで赤みが続いているもの。一玉まるまるのものを買う時には、スイカのツルが出ている根元部分が大きく凹んでいるもの、縦じまがクッキリ出ているものや縦じまによって表面がデコボコしているものが、甘く完熟しているサインです。ぜひご参考に♪