サンドイッチはごくシンプルな料理だ。しかし、そのシンプルさゆえにサンドイッチには膨大な数のバリエーションが存在する。パンと具材の選択だけではなく、パンの切り方や挟み方、トーストするかどうかなどの調理方法や提供方法まで含めれば、その組み合わせは無限にあると言っていいくらいだろう。

愛される理由は店主のサービス精神

外食の歴史には、さまざまなサンドイッチが存在した。かつて喫茶店の定番は耳を落したミックスサンドであったし、ファミリーレストランが全盛だった頃にはBLTサンドやクラブハウスサンドといった米国風のアイテムが台頭した。近年ではパンの種類にこだわったサンドイッチが増えているように思う。

「アメリカン」は、東京・銀座で30年以上営業を続けている小さな飲食店だ。数年前に建て替えられた歌舞伎座のあたりは東銀座と呼ばれるが、同店はその歌舞伎座のすぐ裏手にある。

喫茶店としてサンドイッチを中心にしたボリュームたっぷりのメニューを提供しながら、店頭の窓口でテークアウト販売も行っている。同店のサンドイッチにはいろいろな種類があるのだが、写真の通りその特徴はボリューム感だ。

メニューのポーションを売りにした店は全国に数多くあり、しばしばテレビなどでも紹介される。しかし、そうした店が30年以上も人気店であり続ける例はまれだろう。同店の商品はすべて驚くほどのボリュームがあるが、それを売りにしているわけではない。

このスタイルはおそらく店主のサービス精神から生まれたものなのだ。同店がかくも長い間人々から愛され続けている理由は、そのサービス精神にあるのだと思う。それは、店主が店頭や店内に貼り出している手書きのメッセージから十分に感じ取ることができるのだ。

●店舗情報
「喫茶アメリカン」
所在地=東京都中央区銀座4-11-7

◇外食レストラン新聞の2018年1月1日号の記事を転載しました。