千葉県南房総在住のたべぷろ編集部員・原みりかです。1月になると、千葉県は一足早く春が訪れます。たくさんの花が咲き、生産量が多いいちごが赤く色づき始めます。県内のあちらこちらに、いちご狩り農園がオープンし、たくさんの観光客も訪れます。今回は、さまざまないちごの品種があるなかで、とても希少な幻のくろいちごをご紹介します。

どうしてくろいちご?

くろいちごの品種名は「真紅の美鈴(しんくのみすず)」といいます。ふたつの千葉産いちごから生まれ、母親の「ふさの香」は地元では人気の品種で数多く生産されています。父親も千葉生まれの「麗紅(れいこう)」で、くろいちごは生粋の千葉っ子いちごなのです。

母親同様にくろいちごは独特の香りがあり、とても糖度が高いのが特徴です。今までのいちごににはない、濃い赤色、ワイン色のような独特な色合い、酸味のないコクのある深い甘さが際立ちます。そして通常のいちごは中が白っぽいのに対し、くろいちごは中まで紅色です。

くろいちご「真紅の美鈴」は、千葉県内でも数件しか生産されていない希少ないちごです。千葉県茂原市にある「浦部農園」で、この希少ないちごを生産販売しています。

ちなみに、くろいちごは浦部農園のブランド名です。見た目が黒みをおびたワインレッドなのでそう呼ばれています。可愛いので、ひらがな文字にこだわっています。

くろいちごが収穫できるのは12月から5月までですが、天候等で左右されるので、その日に収穫できる数に限りがあります。

くろいちごファンが増えるきっかけのひとつは、東京のフルーツタルトで有名なお店で「くろいちごのタルト」を販売したからでした。毎年季節限定の希少な商品で大人気!おいしいと評判のタルトに使用したくろいちごの生産者が千葉県の浦部農園だったのです。

くろいちごに出逢える「くろいちごの里 浦部農園」

浦部農園オーナーの想いは、

出会えたこのイチゴを、大切に育てて行こう。
この「くろいちご」を中心とした新しいスタイルの農園「里」にしよう。
少量生産で品質の高い、美味しいイチゴを提供していこう。
生産、直売するだけではなく、加工品製造やカフェなども展開して行こう。

というもの。

引用元:「くろいちごの里」

そんな農園を目指しているオーナーは、あまぁ~いいちごを食べたくて、そしてみなさんにも食べていただきたくて、日々いちご作りに励んでいます。

農園には直売、CAFE、パン工房が併設されています。そのまま食べるだけでなく、手を加えることでさらにおいしく、たくさんの方々に食べてほしいとの想いで営業しています。

農園で栽培しているくろいちごやブルーベリーをふんだんに使ったデニッシュは、シンプルに仕上げているのでそれぞれの果実の特徴が出ています。

また、農家直送のフルーツや地元野菜をふんだんに使った国産小麦100%の手作りパンや、牛乳とくろいちごが濃厚な味わいのアイスクリーム、フレッシュで自然な甘さのくろいちごジャムなどいずれもオーナーのこだわりがたくさん詰まった商品です。そのままのいちごはもちろん、いずれも食べてほしい逸品です。

おいしいいちごを選ぶポイントは

・ヘタが鮮やかな緑、ピンと上向きで元気なものを選び、収穫後一刻も早く食べる
ヘタのチェックは重要です。新鮮ないちごのヘタは、色鮮やかでみずみずしく先端が上向きで張りがあります。時間が経ち、鮮度が落ちるとともにヘタの張りもなくなり茶色に変色してきます。

・全体に赤く均等に綺麗に色づき香りの良いもの
日光が良く当たって育ったものが、大きくて糖度も高くなります。ヘタ下まで真っ赤で大粒、芳醇な香りが際立っているいちごがおいしさの目安です。

・いちごの表面に産毛が生え、張りとツヤがあり種が均等に並んだもの
傷ついた部分があるとその箇所から鮮度が落ちてきます。パックに詰めて売られている物は、上面は綺麗に並んでいますが、下の段はあたって柔らかくなっていたりするので注意が必要です。

いちごがおいしくなる食べ方

いちごはデリケートな果物なので、冷蔵庫で冷やしてしまうと本当のおいしさが失われてしまいます。冷やすと甘みが落ちてしまうので、採れたてをそのままですぐに食べるのが一番おいしい状態です。

どうしても冷やしたいのであれば、食べる30分~1時間位前に冷蔵庫に入れて一気に冷やすとよいでしょう。

いちごは先っちょへ行くにつれて糖度が高くなっていきます。ヘタがついている方から食べると、いちごが持つ甘味や旨みが口いっぱいに広がり、より甘さを感じられていっそうおいしく食べられます。先端は最後に食べましょう!

筆者が子供のころは、牛乳とお砂糖をかけていちご用の底がへこんだスプーン(今は見かけなくなりましたね)でつぶして食べていました。いちごの果肉と、いちごミルク、同時に食べられて大好きでした。

でも今はどうなんでしょうか?こんな食べ方をしているのをあまり聞きません。甘い品種がたくさん出回り、そのまんま食べる方が一番おいしいからなのではないでしょうか。

いちごが残ってしまって食べきれない!もしくはそのままではすっぱい!なんて時にはちょっとひと工夫してみましょう。

・フレッシュいちごそのまま!ケーキのトッピングに!
・砂糖と煮るだけ!いちごジャム
・ミキサーにかけてフレッシュいちごジュース
・牛乳とベストマッチのアイスクリーム

いちごを冷凍保存しておけば、イチゴジュースやソースなどを作ることができます。いちごに対して5~10%の砂糖をまぶして、砂糖がなじんでから冷凍しましょう。いつでも解凍して使うことができるので便利です。

まとめ

いろいろな品種のいちごがスーパーに並んでいます。味も形も違ういちごを食べくらべてみるのも楽しいですね。

残念ながらくろいちごの販売は、千葉県内の一部のお店だけです。ぜひ千葉県まで摘みたて完熟のくろいちごを体験しに、おでかけしてみませんか?

<店舗情報>
くろいちごの里 浦部農園
住所:千葉県茂原市萱場3609
お問い合わせ、予約専用電話:0475-34-1583