冬も本番、寒さが厳しい季節がやってきましたね。東京→長野県への移住生活5年目、信州の冬にもだいぶ慣れてきました。たべぷろ編集部員まつもとゆりかです。温かい献立がうれしいこの季節に、ぜひ食べていただきたい信州定番の温かいおやつ、「五平餅」。あまりご飯で簡単に作れる、おいしいレシピもご紹介します。

手軽で食べやすい軽食的存在

五平餅は「餅」という名前がついていますが「餅」ではなく、ご飯が材料です。炊いたご飯を半分ぐらい粒が残る程度につぶし、串に刺して軽く焼き目をつけたら、甘めの味噌ダレを塗って食べる郷土料理です。

この五平餅、起源や由来には諸説あるようで、山の神様をお祭りする行事に奉納したとか、五兵衛(ごへい)さんという猟師(大工説などもあり)がお昼ご飯にご飯を木にすりつけ、味噌をつけて焼いて食べたのが始まり…などさまざまです。

郷土食として根付いている地域も、南部地方を中心にした長野県、岐阜県、愛知県の三河地方、静岡の山間部など、広い範囲にわたっています。

こういった中部地方エリアを車で通った方は、ドライブインや道の駅、パーキングエリアなどで販売されている五平餅を見かけたことがあるのではないでしょうか?串を持って片手でパクパク食べられて、お腹にもしっかりたまる五平餅。小腹が空いたときの軽食としても、長年親しまれて来た庶民の味なのでしょう。

シンプルだけどバリエーション豊富な五平餅

五平餅は地域によって形状やタレの材料が異なり、南信州ではご飯を平たい丸にして串に2個刺す形で、メガネに似ていることから「眼鏡型」と呼ばれています。愛知県では木のヘラに楕円状に平たくご飯を付ける「わらじ型」が主流のようです。

基本のタレは味噌、砂糖、みりん、お酒などを加えて練ったもの。さらに、白ゴマの擦ったもの、砕いたクルミなどを入れることで何ともいえないコクと香ばしさが加わります。

最近では、クルミよりも安価で手軽に入手できるため、ピーナッツを使うことも多いようです。時期によっては山椒の葉やゆずを入れて、季節感を盛り込んだ味が楽しめます。また、甘いものが苦手な方は甘さ控えめのネギ味噌を代用してもおいしくいただけます。

ご飯とお味噌に合う具材なら、いろいろな食べ方ができそうです!ご家庭のお好みの味を作ってみるのも楽しいですね。

余ったご飯の「五平餅」レシピ

炊飯器に微妙な量だけご飯が余って、さてどうしよう・・という時にはコレです!

【材料】2本分
・あまったご飯…お茶碗1杯分程度
・味噌…大さじ2杯
・醤油…大さじ1杯
・砂糖…大さじ4杯
・みりん…大さじ2杯
・酒…大さじ1杯
・白ゴマ(すりごま) …大さじ1杯
・すりつぶしたクルミ又はピーナッツ(無くても可)…お好みの量
・割りばし二膳

【作り方】
1.ご飯以外の材料をすべて鍋に入れ火にかけ、ややとろみが出るまで混ぜる。

2.ご飯をジップロックなどの袋に入れて電子レンジで温め、めん棒で軽くつぶす。(半分ぐらいご飯の粒が残る程度でOK)
※叩くと袋が破れてしまうのでコロコロ押しつぶす感じです。

3.ご飯を4等分にして平たい丸型にする。
4.アルミホイルに薄くサラダオイルを塗って、ご飯を並べる。

5.魚焼きグリルで表面がこんがりする程度に焼く。(オーブンでも良い)
6.割り箸に2個ずつご飯を刺してタレをかける。さらにサッと焦げ目がつく程度に焼くと、味噌の香ばしい香りが食欲をそそります。

五平餅を冷凍保存しておけば、忙しいお昼に電子レンジでチン! スープや汁物を添えれば簡単ランチになるので便利ですよ! 消化も良いので、勉強中のお子さんの夜食にも喜ばれます。(保存の際は、ご飯とタレは別々に保存して食べる直前にかけてください)

信州の郷土食、ぜひお試しください。