タイ・バンコク市在住のたべぷろ編集部員・アマチャン・キャットワンチャイ(男)です。東京都出身の東京下町育ち。世界各地を流浪の末、ようやくバンコクの地に落ち着きました。既に在住8年目となります。日常生活を通じて得たタイのローカル食に関する情報などをご紹介させていただきます。今回のテーマはタイで人気のおやつ「サラパオ・サイ・ムーサップ」です。

ちょこちょこ食べる?タイ人の食習慣

バンコクの街中を歩いていると、必ずといってよいほど“何かを食べている人”を見かけます。それもそのはず、バンコクの路上には様々な食べ物屋台が並んでいるので、いつでもどこでも食事をすることが出来るのです。

また、その様な屋台で売られている食べ物(料理)は、総じて一食分の量が少なく感じます。日本人の感覚からすると、通常一食分の半分程度の量しかないかもしれません。

そもそもタイの人々は、決まった時間に決まった場所で食事をする、という意識が薄いようです。小腹が空いたらその辺で売っているものを買って少し食べる、また小腹が空いてきたらまた少し食べる、その繰り返し。少ない量を何回にも分けて食べる、というのがタイ人の食のスタイルのようです。

つまり、すべての食事が“おやつ感覚”という感じなのでしょうか?肥満が少ないタイ人ですが、そのスタイル維持の秘訣はこの食事法にあるのかも知れません。

日本の肉まんと比べてかなり小さい

「サラパオ」とは主に中国南部で食されている焼包(シャオパオ)のタイでの呼称です。もともと、タイの文化は中国文化の影響を強く受けています。食に関しても中華料理からの影響を見ることが出来ます。「サラパオ」もその一つです。それでは「サラパオ・サイ・ムーサップ」とは具体的にどの様なものなのでしょうか?

“サイ”はタイ語で“入れる”という意味です。“ムーサップ”は“豚の挽肉”の意味です。要するに「サラパオ・サイ・ムーサップ」は“豚挽肉の包み”です。日本でいうところの「肉まん」です。

ただ、先にも書いたようにその量は少なく、日本の「肉まん」と比べてかなり小さいのが特徴です。2、3個ならばペロリと食べられてしまいそうな大きさです。

コンビニで買えます

かつて、「サラパオ」は街中を走り回るバイク屋台によって売られていました。現在ではタイ全土どこにでも見られるセブンイレブンなどのコンビニエンスストアでも販売されています。レジの脇に置かれた保温機に入れられている様子などは日本のそれとよく似ています。

ただ、日本では冬の風物詩的な扱いを受ける「肉まん」ですが、タイの「サラパオ」は一年中売られています。タイの庶民にとってそれだけ身近な食べ物となっているということです。チャイナタウンの天心専門店などに行けばより本格的な中華饅頭を買うこともできます。

しかし、庶民の日常的なおやつとしてはやはりコンビニエンスストアで売られている「サラパオ」の味が馴染み深いものである様に思います。

「サラパオ」のおいしい食べ方は?

セブンイレブンなどのコンビニエンスストアで売られている「サラパオ・サイ・ムーサップ」の味はやはり日本の「肉まん」と大きな違いがありません。ほとんど同じです。

ただし、日本と比べても商品の種類は豊富だと思います。“塩漬けの卵黄入り”“バーベキュー味”、その他“オレンジ味”などユニークなものあります。どれも値段は一個30円から50円程度という安さです。いろいろと食べ比べてみるのも楽しいでしょう。

また、一般に「サラパオ」は点心の一種として考えられているようです。コンビニエンスストアに限らず、「サラパオ」はシューマイや中華ちまき等、他の点心と一緒に売られていることがほとんどです。

シューマイなどと一緒に小さな「サラパオ」をおやつ感覚で食べる、というのがタイの人々の食べ方のようです。専門店などで買う場合には「サラパオ」含む各種点心をバナナの葉でまとめて包んで持たせてくれます。冷めてしまっても美味しく食べることができます。