串揚げと手打ちそばという異色の二枚看板で営業する居酒屋「神楽坂さかや」。主力商品の串揚げは日替わりで用意する四季折々の旬食材と「趣あて串」と銘打った定番串を計20品前後揃えているのだが、この「趣あて串」が実にユニーク。

今回掲載の3品を例にすると、「雲仙ハムとうずら玉子のハムエッグ」は、朝食メニューのハムエッグを串揚げにアレンジしたもの。「鯵の新玉葱南蛮漬けのせ」はアジの南蛮漬け、「真蛸とオクラの紅生姜のせ」はタコ焼きといった具合に、誰もが食べたことのある日常食を串揚げに変身させているのだ。

商品化の鍵となったのが、揚げる食材と盛り付ける食材の分解再構築のアイデアだ。ハムエッグならハムの串揚げにのせられるサイズの目玉焼き、南蛮漬けなら魚の串揚げの上に新玉ネギの甘酢漬け、タコ焼きはタコの串揚げに紅ショウガと青海苔を振りかけるといったように、見た目からも発想の面白さが伝わってくる。

「あて串を好んで注文するお客さまは、リピーターになってくれる方が多いですね。当店のスタイルを伝えてくれる商品になったと感じています」と店主の坂本達さんは、あて串の効果について語る。

●店舗情報
「神楽坂さかや」
所在地:東京都新宿区神楽坂3-1 京花ビル1階

◇外食レストラン新聞の2021年9月6日号の記事を転載しました。