阿部幸製菓グループの越の舞本舗は、鏡もちの代わりに飾った後でも手軽に食べられるゼリー「鏡餅風もっちりあま酒」(=写真、105g)を11月1日から発売する。調理の手間や幼児・高齢者の嚥下(えんげ)不安から、もちを食べずに破棄する人もいて、罪悪感を感じるため買わないという人も多い。スイーツ提案することで、もちを食べられない人にも正月の雰囲気が味わえる商品として提案する。

甘酒市場は近年のブームで拡大を続けている。特に米麹を使った甘酒は、美容・健康・高級イメージから市場拡大のけん引役となっている。こうした市場背景と合わせて、正月らしさを求めつつも、鏡もちを食べる(開封・調理する)ことに面倒を感じる人や、嚥下の不安を抱える家族を持つ人も多い。

新商品は、ターゲットを30~50代の女性に設定。鏡もちの変わりとして飾ることのできる形状の容器を採用し、さらにスリーブで鏡もちを連想させるデザインを採用。地元小千谷市にある山崎醸造の「雪国あま酒」を使用し、アルコール0.0%で子どもも安心して食べられる。米麹甘酒のやさしい味と、もちを連想させるもっちりとした食感が特徴だ。

お神酒をイメージする甘酒を使うことで、廃棄に抵抗を感じる層へ提案するとともに、ゼリー状のため嚥下に不安を感じる層にもアピールする。価格は200~250円を想定。食品スーパーだけでなく、雑貨屋など新しいチャネルへの販路拡大にも挑戦する。

◇日本食糧新聞の2019年10月30日号の記事を転載しました。